中国の小学生に「ウルトラマン・トレカ」が大流行 版権取得した中国企業が香港証取に上場申請

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子供たちがトレカに夢中になる理由の1つは、購入後に袋を開けるまでどのカードが入っているかわからない仕組みにある。そのため、トレカにはギャンブル性があると指摘する専門家もあり、未成年が依存症になったり非理性的な消費に走ったりするリスクについて論議を呼んでいる。

カーヨウは低年齢層へのトレカ販売に注意を払い、ウェブサイトで「未成年者の消費に制限を設け、正しい消費行動・習慣に導きます」と公約している。

類似のビジネスモデルをとる商品に「盲盒(ブラインドボックス)」と呼ばれる、箱を開けるまで何が入っているかわからない玩具がある。中国では4~5年前から、若者の間でブラインドボックスが大流行。それを受けて、中国国家市場監督管理総局は2023年6月、8歳以下の子供へのブラインドボックス販売を禁じる暫定ガイドラインを発表した。

ギャンブル性への規制リスクも

だが、トレカに対して同レベルの規制を適用すべきかどうかの議論は、まだ結論に至っていない。なお、カーヨウは将来的にトレカが規制対象となるリスクを認識しており、監督当局による制度変更が事業に重大な影響を与える可能性を目論見書(の事業リスク項目)に明記している。

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カーヨウはすでに自主規制も導入している。同社が2022年4月に公表した「約束」によれば、8歳未満の子供が実店舗で同社のトレカを購入する場合には、保護者の同伴が求められる。

また、8歳以上の未成年が一度に200元(約4160円)超の買い物をする場合には保護者の同意が、1カ月の累計購入額が1000元(約2万800円)を超える場合には保護者の同伴が必要と定めている。

(財新記者:関聡)
※原文の配信は1月27日

財新 Biz&Tech

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