中国の小学生に「ウルトラマン・トレカ」が大流行 版権取得した中国企業が香港証取に上場申請

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中国での「ウルトラマン・トレカ」の人気は、カーヨウを香港証券取引所のメインボード上場を狙えるまでに成長させた(写真は同社の公式ウェブストア)

中国の小学生の間で「トレーディングカード(トレカ)」が大流行している。そのブームをつかんで業績を拡大し、IPO(新規株式公開)を目指す企業が登場した。浙江省に本社を置く卡游動漫(カーヨウ)だ。

同社は日本発の人気キャラクター「ウルトラマン」のトレカの企画、生産、販売を手がけている。ウルトラマンのトレカは、さまざまなトレカのなかでも中国の子供たちに特に人気が高い。カーヨウは香港証券取引所のメインボードへの上場を狙い、1月26日にIPOの目論見書を提出した。

米国に次ぐ世界2位の大市場に

中国のトレカ市場は、ここ数年の間に目を見張る急成長を遂げた。中国のコンサルタント会社、灼識諮詢(チャイナ・インサイツ・コンサルタンシー)のデータによれば、売買総額ベースで見た市場規模は2017年の7億元(約146億円)から2022年には122億元(約2538億円)に拡大。国別ではアメリカに次ぐ世界第2位の大市場になった。

カーヨウ創業者で董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)を務める李奇斌氏は、現在51歳。2008年に印刷会社を起業した後、2011年にカーヨウを設立し、2018年にウルトラマンの(トレカを展開する)版権を取得した。

IPOの目論見書によれば、カーヨウは2022年に41億3100万元(約859億円)の売上高と、16億2000万元(約337億円)の調整後純利益を稼ぎ出した。同社はウルトラマン以外のトレカやその他の玩具・文具も取り扱うが、売上高の大部分をウルトラマンのトレカが生み出している。

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