紳士服店には両刃の剣 スーパークールビズ旋風
連日、猛暑日を迎える日本列島。原子力発電所停止に伴う夏の電力不足を前に、環境省が5月に提唱したのが「スーパークールビズ」だ。紳士服専門店各社は対応する商品を拡大、需要の取り込みに躍起となっている。
「4、5月の早いうちからスーパークールビズ商品を投入できた」というコナカの5月の既存店売上高は、前年同月比5%増。最大手の青山商事やAOKI、はるやま商事をはじめ、紳士服専門店大手はおおむね堅調だ。
6月以降もこの勢いは止まらない。青山商事やAOKIでは、シャツとスラックスなど、関連商品の販売金額が前年比3割増ペースを維持。前年比目標も軽く上回っている。2005年に提唱された「クールビズ」では、1~2割程度の増加だったことを考えても、スーパークールビズの効果は予想外に大きい。
夏の赤字削減に効果
紳士服専門店が健闘している要因は、カジュアルに走りすぎず、あくまでビジネス向けにこだわったこと。“クールビズ初心者”にも受け入れられやすい商品設計になっている点などが挙げられる。
たとえば、スーパークールビズ用に投入された、ポロシャツ。ネクタイを締められるようにボタンダウンにしたほか、襟を立たせるために土台となる台襟を縫い入れた。カジュアルに偏らない、程よい工夫が凝らされている。また吸水速乾の機能性肌着にも一工夫。ワイシャツの二つ目のボタンを開けても肌着がのぞかない、首周りの深い商品をそろえている。