紳士服店には両刃の剣 スーパークールビズ旋風
一般的にスーツは、汗などで濡れた状態での摩擦に弱い。スーパークールビズの浸透でスーツを着る機会が減り、摩耗が抑制されると、当然ながら買い替え頻度も低下。年間の販売量に影響を与える可能性も考えられよう。
スーパークールビズ商品とスーツとの単価の差が大きいことも課題だ。中心価格帯が3万~4万円台のスーツに対し、シャツは1枚3000~4000円程度。シャツやスラックスなどでスーツと同じ利益の絶対額を稼ぐには、「何倍も売らなければならない」(大手紳士服専門店)。
確かに目先では、売り上げ増に貢献しているスーパークールビズ。が、事は日本人の生活習慣にも絡むため、業界にとって追い風となるか逆風となるか、予断を許さない。「スーパークールビズ元年」は、紳士服専門店の存在意義を改めて問うている。
(鈴木良英 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年7月9日号)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら