「正解主義」と「エセ平等」の呪縛から脱却せよ 藤原和博・東京学芸大学客員教授
日本人の場合、意見を言っただけで、相手の人格まで否定しているかのように誤解されることが多い。それがまさに「2ちゃんねる」で起きていること。だから、「意見を言うことと人格を叩くことは別」だと認識し、人の人格を傷つけずに意見を言うマナーを学習しないといけない。そうでないと、とてもグローバルエリートへの第一歩が踏み出せない。
大学教育については、100%を情報編集型にすべき。そもそも、海外の大学というのは、情報の編集を学びにいくところであって、暗記はやらない。「サンデル教授の白熱授業」をみればわかるが、授業中は「情報の編集」に集中できるよう、授業前に「情報の処理」を済ませている。事前に教授が「この10冊の本を読んでこい」と指示し、生徒はそれを読んできている。
ただし、全部の資料を読みこなすのは無理なので、10冊のうちどれが本質的かをかぎ分けることが大事になる。そうした能力は、トレーニングを積むにつれて自然とついてくる。
サンデル教授がこれだけ人気になるということは、日本人の多くは、「情報処理型の授業は時代遅れだ」と気付いている。それに気付いていないのは、官僚とバカな政治家だけ。
大学生に被災地訪問を義務付けよ
--日本の教育改革を進めるために、カギを握るのは誰ですか?
お母さんの意識改革が大事。お母さんはある意味保守的だが、いったん変り始めたら一気に変わる。良いとわかったら、それを認めてしまうすごさがある。お母さんたちは、すごくリアリスト。
たとえば、和田中で塾講師による有料事業「夜スペシャル(夜スペ)」を始めたとき、最初はすごく批判があった。左翼系の人を中心に200本ぐらい抗議の電話を受けた。