港区マダムの「秘密の陶芸教室」で知る幸せのコツ ろくろを回して知る、人生を小さく豊かにする術

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作陶後には、先生の作った器に料理を並べて、ビールを飲みつつ反省会。メンバーの人柄もよく、会話も洒脱でごはんも美味い。夫の転勤で大阪から東京に来て近所に友人もいないうえに、コロナ禍で帰省もしていなかったため、皆で食事をすること自体が数年ぶりです。暖かく迎え入れてもらい泣きそうになるくらい嬉しかった。

月謝もびっくりするほど良心的なお値段を提示していただき、陶芸サロンへ誘っていただいたものの、当初は入会を断るつもりでした。なぜか? それは、家にモノが増えるのに抵抗があったからです。

ある日の反省会。先生の作品に料理を盛り付けています(筆者撮影)

家にモノを増やしたくないという悩み

以前の記事で、私がもともとコレクター気質でCDをたくさん所有していることを自分の価値のように思っていた時代があるということを書いています。結婚して狭い家に住むことになり、モノを減らして小さく暮らすことの魅力を知った人間にとって、モノが増えるというのは、せっかくダイエットに成功したのにリバウンドするようなもの。かなりの恐怖です。

陶芸教室に通えば、どうしたって作品は増えてしまう。陶芸はしたいし、陶芸サロンの皆にも会いたい、けれど家に荷物が増えるのはイヤなのです。いろいろ考えた結果、私は陶芸を始めるにあたって、自身でルールを設けました。

自作の猫のフードボウル。今は真ん中を残して手放しています(筆者撮影)

食器の数は増やさない。自作の器をひとつ持ち帰れば、家にある今の食器をひとつ手放す。さらに新しく器を作れば、自分が過去に作った器を手放す。「自分の作った作品は大切に残しておく」「食器は割れたり欠けたりしない限り、処分するものではない」という、常識やしつけといった、暗黙のルールに従って暮らせば、自分にとって快適な量を保つことができません。

こだわって選んだ食器はお気に入りばかりだし、自分で作った器は愛着が湧くしで、厳密に1in1outを守るのは難しいものの、このルールを設けておいたおかげで、捨てることへの罪悪感に苛まれることなく、自分にとってほどよい物量を保ちながら暮らせています。

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