港区マダムの「秘密の陶芸教室」で知る幸せのコツ ろくろを回して知る、人生を小さく豊かにする術

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そこは生徒を一般募集しているカルチャースクールではなく、陶芸家のマダムがお友達を集めて週に1度開催する、サロンのような陶芸教室とのこと。「港区の陶芸教室……さぞやお高かろうな……」と、内心びびったものの、陶芸がしてみたい気持ちと陶芸窯があるオフィスへの興味が勝り、「一度だけ参加させてもらおう」とお邪魔することにしました。

「旅行会社の社長」「陶芸家のサロン」というワードから、気取った成金ぽいピカピカのインテリアを勝手にイメージしていたのですが、実際にオフィスを訪問すると、予想は大外れ。

陶芸教室というよりは、アトリエをお借りしているというのが近いかも(筆者撮影)

オフィス兼陶芸サロンとなっている15畳ほどの空間は、入って左側が息子さんの仕事スペースで、デスクの上にはキーボードと大きなモニターが並び、書棚には書類がびっしり詰まっています。右奥が小さな陶芸用の電気窯(とはいってもファミリー向けの両開き冷蔵庫ぐらいはデカい)と釉薬や陶芸用具が並ぶ、陶芸スペースになっています。

いい感じに雑多で、ヴィレッジヴァンガードのようなワクワク感があり、なんとも居心地がよく、一目見てすっかり気に入ってしまいました。そして、この空間の主である親子も、チャーミングかつ人情味に溢れ、話せば話すほど好きになっていくのでした。

陶芸は高尚な趣味というよりは、粘土遊び的面白さ

私は猫のフードボウルを作ることにしました。手取り足取り教わりながら、粘土を伸ばしたり、切ったり、繋げたり。これが楽しいのなんの。陶芸は大人の高尚な趣味だと思っていたのですが、完全に砂場の泥団子作りの延長です。土の手触りの気持ちよさったらありません。

初めて作った猫のフードボウルがこちら。いびつながらも使えなくはない仕上がり(筆者撮影)

食器の上に粘土を被せて型を取り、先生に言われたとおりに手を動かすと、ただの粘土がどんどんと器になっていきます。陶芸というのは映画「ゴースト/ニューヨークの幻」のように、回転するろくろを使うものだと思っていたのですが、それはもっと上達してからだそう。

「若い人は上達が早いわねえ」

「初めてとは思えないほど上手いよ」

サロンメンバーの皆さんがチヤホヤしてくれて、気分ノリノリで作り上げました。

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