新NISAとiDeCo、どちらを優先すると得するのか 「人生100年時代」に考える資産運用の方針

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それでは、片方しか活用できない場合、どちらを選んだほうが得なのでしょうか。結論からいうと、どちらを選んだほうが得なのかは、人それぞれです。なぜなら年齢や運用方針は各人によってそれぞれ違うからです。当たり前のようですが、意外とこの点を見失ってしまう人は少なくありません。

そこで、あらゆる観点から2つの制度を見てみましょう。

投資期間や投資額で比較する

まず、新NISAは日本に居住する18歳以上が対象で、特に年齢の上限は決まっていません。これは旧NISAと同じです。

一方で、iDeCoは基本的に20歳から65歳まで加入ができます。これまでは60歳未満までという上限がありましたが、2022年5月1日の法改正で65歳になるまで加入できるようになりました。

ただし、iDeCoの加入条件には国民年金への加入が必須であり、60歳以降も公的年金に加入している人だけが対象となります。

次に、1年間でどれぐらいの金額を投資に充てられるかを見てみましょう。新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠の2つの投資枠がありますが、2つの投資枠の年間可能投資額の合計は360万円となります。

iDeCoの場合は加入資格によって拠出限度額が異なりますが、最も掛け金が多い自営業者の場合だと81万6000円です。

このように見ると、圧倒的に新NISAのほうがよさそうですが、制度を用いた投資額の総額を考えてみると、新NISAは生涯投資可能額が1800万円となっているため、それ以上は投資額を増やしていくことができません。

iDeCoは投資総額の上限はないため、たとえば自営業者が40年間拠出上限額で積み立てていった場合の総額は3264万円にもなります。

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