元Google人事"仕事力UP"会話のNG&Goodポイント 「エンジニアは本来とても雑談が得意なはず」

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Good.2 「教えて!」のスタンスで聞く

相手の興味関心が自分とは全く違う領域にある場合は、「教えて」という姿勢で聞くのがおすすめです。

例えば、相手の趣味がラジコンだと聞いたら「どんなラジコンですか?」「どうやって操作するんですか?」というように、教えてほしい姿勢を見せれば、気持ちよく話してくれる人は多いはずです。

相手との共通点を見つけることは雑談の目的の一つですが、それがすぐには見つからなかったとしても、お互いの価値観をシェアする過程で人間関係を築くことはできます。

Good.3 相手の言葉を繰り返す

相手の発した言葉をそのまま繰り返すと、「話をきちんと聞いている」というエビデンスになります。

先ほどの例のように「私の趣味はラジコンなんです」と言われたら、すかさず「ラジコンが趣味なんですね!」と言い返す。すると相手は「自分の発言は間違っていなかったんだ」という安心感を得ることができ、こちらに対する信頼が醸成されていきます。

雑談で大切なのは、相手が自己表現できるモメンタムを作ることです。今回紹介したようなポイントを意識すると、相手との間にある緊張がやわらぎ、人間関係の構築につながる「いい雑談」ができるようになるでしょう。

大切なのは「信頼関係」と「タイミング」

ただ、いろいろと申し上げましたが、実は雑談で話してはいけないことなんて、本当はないんです。

雑談でも普通の会話でも、大切なのは「信頼関係」と「タイミング」です。多少センシティブな話題であっても、相手との信頼関係があり、そしてタイミングが適切であれば、話す内容は大きな問題にはなりません。

先述したように、人のアイデンティティーに触れる話は雑談で扱うリスクは高いですが、そこを上手に乗り越えることができれば、人間関係を一段と深めるきっかけにもなるでしょう。

ぜひ相手への「好奇心」と「集中」を大切に、エンジニアの強みを生かした「いい雑談」にトライしてみてください。

『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』(クロスメディア・パブリッシング)

日本のビジネスマンの多くが、単なる無駄話や世間話ととらえがちな「雑談」。しかし雑談はお互いの関係性を深めるだけではなく、仕事全般のパフォーマンスを上げる効果が期待されるものなのだとか。

本書では、元Googleの人材育成統括部長であり、現在は経営コンサルタントとして人材・組織開発のための研修などを手掛けるピョートル・フェリクス・グジバチさんが、「目的のある雑談」について解説。日本企業の特徴を指摘しながら、ビジネスの場における「雑談力」の重要性を説く。
『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』(クロスメディア・パブリッシング)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

(取材・文/一本麻衣 編集/秋元 祐香里:編集部)

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『エンジニアtype』編集部

キャリアデザインセンターが運営するwebマガジン。「どう創る? これから先のシゴト人生」をテーマに、エンジニアの今後の仕事選択・働き方・スキルアップなどに役立つ情報を配信している。

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