例えば、iPhoneの設定の中には、それぞれのサイトやアプリのIDとパスワードを一元管理するための「パスワード」という項目がある。「盗難デバイスの保護」を有効にしたあと、普段行かない場所でここにアクセスしようとすると、パスコードが無効になる。iPhoneが盗まれている可能性があると自動で判断し、顔や指紋が一致しない限り、IDやパスワードにアクセスできないようになるというわけだ。
また、一部の設定を変更しようとすると、「セキュリティ遅延機能」が働く。これは、普段行かない場所では、設定変更に1時間かかるようになるというもの。パスコードなどを変更する場合のみ、これが有効になる。「盗難デバイスの保護」自体をオフにする際にも「セキュリティ遅延機能」が機能する。この機能は、盗難された場合に、パスコードが変更されてしまうまでの時間稼ぎをするためのものだ。
基本的には安全性が高まるため、紛失時のことを考えれば、有効にしておくべき機能と言える。ただし、よく行く場所の判定が自動で行われるため、操作が煩雑になってしまうケースも。筆者の場合、毎日通っている事務所も「よく行く場所」にならず、「盗難デイバイスの保護」をオフにできなかった。手動で場所を登録できればいいが、そうではないようだ。すぐに設定の変更を反映させたい時などには邪魔になる可能性もあることは念頭に置いておきたい。
手元から離れたら即通知、紛失防止にも役立つApple Watch
カフェで休憩している時にテーブルの上に置いたり、ポケットからこぼれ落ちてそのまま会議室に放置されていたりと、iPhoneを紛失したこと自体に気づかないケースもある。すぐに戻れば、見つかる可能性は高まる。紛失に備えるのはもちろんだが、紛失自体を早く認識することも重要と言えるだろう。このような時に役立つのが、Apple Watchだ。
iPhoneなどのアップル製デバイスには、ユーザーから一定の距離が離れると通知を送る機能がある。Apple Watchであれば、常時腕に身に着けており、iPhoneのようにどこかに置き忘れる心配がないため、その通知を確実に受け取ることが可能だ。iPhoneだけでなく、iPadやAirPodsなどもこの通知に対応しているため、これを有効にしておくと、デバイスを紛失するリスクが低くなる。エアタグを使えば、財布や鍵などを置き忘れた際にも、同様の通知を出すことが可能だ。
ただし、一定の距離が空いても、通知が来ないケースが存在する。疑いたいのは、通知を出さない場所の設定。この設定は連絡先に自宅などを登録していると自動で行われ、よく行く場所が“例外”に指定されている。また、通知で「信頼できる場所」をいつの間にかタップしてしまうケースもある。
例えば筆者の場合、自宅や事務所の大体の場所が、通知を送らない場所として設定されていた。ただ、iPhoneをうっかり自宅に置き忘れたまま、仕事に出てしまうこともある。事務所も、会議室などで落とした時には、誰かが拾ってしまう可能性がありそうだ。
このような時には、通知を出さない場所を解除しておくようにしたい。この設定は、「探す」アプリで行う。「探す」アプリを立ち上げ、「デバイスを探す」タブを開くと、同じApple IDに紐づいた端末の一覧が表示される。iPhoneの設定を変えたいときには、そのiPhoneの名前をタップ。次に、「手元から離れたときに通知」を選択する。ここで、「以下の場所以外では通知」に指定された場所がないかどうかを確認してみよう。
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