損保大手4社「覆面座談会」で見えた残酷な実態 「不正請求は日常茶飯事」「在庫車を強制購入」

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Dさん 営業協力という面でいえば、損保において最も強烈なのが、トヨタ(自動車)をはじめとする系列ディーラーへの営業協力ではないでしょうか。

まず損保の営業担当者が業務で使う車は、基本的に車検を利用せず、車検の期限前にディーラーで買い替えます。これは基本中の基本です。それから営業の新人はディーラーで売れ残った在庫車を、ほぼ強制的に個人用として買わされていました。配属になって自分の机に行ったら、車のキーが置いてあったとか、カタログに付箋が貼ってあったというのは、自動車ディーラーへの営業を担当している人にとってはよくある話です。

Fさん ちなみにうちの役員は、新人のときにエメラルドグリーンのクーペを強制的に買わされて、「なんだこのカナブンみたいな車は」と絶望したそうです(笑)。

「営業協力」で、ディーラーの売れ残り車を買うことに……(写真:PIXTA)

愛人と使うホテルの代金を払っておく

Eさん さらに言うと、ディーラーの親密取引先からスーツや食品を買う、新車のフェアが催されるときは駐車場の誘導係をする、なんていうのは日常茶飯事。完成車メーカーが協賛するスポーツイベントがあれば動員をかけ、土日構わず観戦に行って顔を出したとアピールする。新店舗の土地を探す、果てはディーラーの社長が愛人と使うホテルの部屋を探して代金を払っておくなんていうとんでもない話も、同僚から聞かされました。

Fさん スーツでいうと、ディーラーには親密先のアパレル会社から、1着当たり5割程度のキックバックがあると聞きました。200万円の新車を売っても利益は十数万円しかないと聞きますから、ディーラーとしてもそれぐらいがめつく商売をしないと、経営が成り立ちにくいのが実情のようです。

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