「スマホ依存」の人がハマる宿命的な脳のトラップ ドーパミンの分泌と不安に追われるラットレース
人類はこれまでもつねにFOMOにさらされてきた。それでも、その不安に完全に取りこまれずにすんでいたのは、スマホが登場するまでは自分が見逃したものを知ることが容易でなかったからだ。
いったん家を出て(固定電話からも離れ)パーティ会場に行ってしまえば、同じタイミングで別に開かれたパーティのほうが楽しそうだったとしても知るすべはない。
よくも悪くも、目の前のパーティがすべてだった。
結局、スマホがもたらすのは「不安」のループだけ
けれど、スマホがあれば大きな魚を逃しかけていることを簡単に調べられるだけでなく、(通知機能で)くしゃみさながらにFOMOを浴びせかけられる。やがて心の平穏を保つ唯一の方法は、見逃しているものはないかと始終スマホをチェックすることだと確信するようになる。
ところが、それではスマホ起因のFOMOは解消されるどころか、悪化してしまうのだ。
スマホから目を離すたびに、闘争・逃走反応を引き起こすコルチゾールという、ストレスホルモンが副腎皮質から分泌されるようになるからだ。
コルチゾールとは不安を感じさせるものだ。私たちはできるだけ不安を感じたくない。そこで不安を和らげようとスマホに手を伸ばす。
一瞬、気が晴れる。ただし、スマホを置くと……またもや不安が襲ってくる。
FOMOにとらわれているかぎり、スマホを見て、触れて、スワイプして、スクロールすることを繰り返すしかない。不安を紛らせようとする行動は悪習慣のループを強化し、結局、いたずらに不安を増大させるだけだ。
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