ここで山田さんらが推奨する朝食の、具体的なイメージを以下に挙げてみたい。
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この例を見るとわかるが、パンやご飯などの主食も食べていい。炭水化物をゼロにしないほうがいい理由は、食物繊維が含まれているからだという。
「この食事をすると、食後血糖値の上がり方が緩やかになります。この『朝、しっかり食べると、その後の血糖や食欲にブレーキが利く』ことに関しては、いくつかの研究で確かめられています」(山田さん)
意外にも、食後血糖値を上げてしまうのは、スムージーや野菜ジュース、果物、シリアルといった、多くの人がヘルシーだと思っている朝食や、「朝食抜き」だそう。
スムージーや野菜ジュース、果物は確かにビタミンやミネラルは多く摂れる。だが、糖質に偏っていて、肝心のタンパク質や脂質がほとんど摂れない。食後血糖値の問題からみたら、避けたほうがいい食事なのだ。
「朝食抜きについては、1食目にあたる昼食で時間が取れず、麺類や丼物を早食いする方が多い。結果として、昼食後血糖値がとんでもなく上がってしまうのです。逆に、朝食でタンパク質や脂質をしっかり食べておくと、昼食に麺類や丼物を食べても、血糖値の上昇を抑制できることが報告されています」(山田さん)
なぜ朝食を見直す必要があるのか
なぜ、昼でも夜でもなく、朝に前述した食事に変えると血糖値が上がりにくいのか。糖質を控えているから、ということ以外にも理由がある。
実は、タンパク質を摂るとGLP-1というホルモンが、脂質を摂るとGIPというホルモンが小腸から多く分泌される。これらのホルモンは血糖の上昇を抑える働きがあるため、血糖値がつねに安定した状態に保たれる。血糖の急激な降下や低血糖を生じないので、飢餓感に襲われることもなければ、食べすぎることもなくなる。
「GLP-1やGIPの作用は絶大で、昨今、話題になっている肥満症治療薬、糖尿病治療薬として注目されています。また、グレリンという食欲をもたらすホルモンの分泌も長く抑制されるので、お腹が空きにくくなります」(山田さん)
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