「例えば、血糖値が急激に下がると、『低血糖にならないよう、食べて止めなきゃ』という抗いようのない空腹感、まさに飢餓感に襲われます。その結果、カロリー的には必要もないのに食べすぎてしまう、といったことが起こります」
また、血糖値が高いことで血管が傷つき動脈硬化を進行させてしまう。いずれにせよ、食後の血糖値をどうするかで、これからの人生を健康的に過ごせるか否かがかかっている、といっても過言ではなさそうだ。
血糖値の上がり方については、体質的なものもあるといわれている。「親が糖尿病だから……」と諦めてはいないだろうか。あるいはその逆で「家族が糖尿病じゃないから大丈夫」と安心していないだろうか。
実は、ここには大きな問題が2つ隠されている。
1つは、健診などで「血糖値が正常」といわれている人でも、その多くが食事をしてから2時間後の血糖値(食後血糖値)が正常値を超えて上がっている“隠れ食後高血糖”の可能性があるという怖い事実だ。
山田さんらは過去に、ある会社の健康的な社員に協力してもらって、食後血糖値を測ったことがある。その結果、食後血糖値のボーダーラインとされる数値(140mg/dL)以内に収まっていた人は、ほとんどいなかったそうだ。
多くの人が隠れ食後高血糖であるということに関しては、中国でも同じような調査が行われており、なんと成人の2人に1人が血糖異常だったことが明らかになった。
体質よりも食べ方に問題がある
そして問題のもう1つは、食後血糖値は体質よりも食事の影響のほうが大きい、という真実だ。
山田さんは、「細かくは説明しませんが、基本的に血糖値は体質よりも生活習慣に依存することを立証した論文がいくつか出ています。血糖値がコントロールできないのは、体質よりもむしろ食べ方に問題があると思うべきでしょう」と言う。
見方を変えれば、どんな人でも食事次第で食後血糖値の問題が解決できるともいえる。
気になる食事法だが、それは冒頭でも紹介した「朝食は炭水化物を減らし、タンパク質+脂質を多めにする」というもの。なかでも重要なポイントは、アブラを控えない、という点だ。
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