災害時に役立つスマホの「バッテリーを温存法」 能登半島地震でモバイル通信は寸断されたのか

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能登半島地震では徐々に復旧している携帯電話の基地局だが、災害時には、通信が途絶してしまうことがある。電源喪失や光回線の切断など、理由はさまざま。災害の直後は通信できたとしても、基地局が搭載していたバッテリーが切れてしまい、後から圏外になるケースもある。もしスマホが圏外になってしまい、充電もできないという状況であれば、バッテリーを節約するため、フライトモードに切り替えておいたほうがいい。

通信不能になったときはフライトモードに

圏外になったとき、スマホは利用できるネットワークがあるかどうかをサーチするからだ。これが、バッテリーの消費量を増やしてしまう。また、Wi-Fi接続時も、電話やSMSを着信できるよう、ネットワークサーチを繰り返している。アンテナマークが圏外表示になっていたら、ひとまず設定をフライトモードに切り替え、その後Wi-Fiを再度有効にするといいだろう。フライトモードは無線関連の機能を完全にオフにするため、有効な方法と言える。

Pixel 8の場合、フライトモードは通知の上部にあるクイック設定で呼び出すことができる。また、設定アプリから「ネットワークとインターネット」を開き、「機内モード」をオンにしても有効になる。フライトモード中もWi-Fiは有効になるため、固定回線が生きているようなときには、再度オンにしておこう。また、いったんフライトモード中にWi-Fiをオンにすると、再度設定した際に、Wi-Fiがオフにならない。これは、航空機内などでの利用を想定した仕様だ。

フライトモードにしながらでも、Wi-Fiは利用できる。基地局につながらない場合に役立つ設定だ(筆者撮影)

ただし、フライトモードのままだと、基地局が復旧したかどうかがわからないため、定期的に解除して状況は確認したほうがいい。また、デュアルSIMを設定していたとき、片方だけが圏外になってしまったような場合は、そちらをオフにしておくといい。これも、ネットワークサーチの回数を減らせるため、節電につながる。Pixel 8の場合、「設定」の「ネットワークとインターネット」を開き、「SIM」でオフにしたいほうの回線を選択。「SIMを使用」のスイッチをオフにすると、その回線が無効になる。

カメラのフラッシュライトを懐中電灯代わりに使えたり、キャッシュしてあるマップを見ることができたりと、通信がつながっていない状況でもスマホは役に立つことがある。電源をオフにしてしまうと、起動までに時間がかかるうえに、バッテリーも消費するため、まずはフライトモードで様子を見つつ、スマホを温存するようにしたい。

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石野 純也 ケータイジャーナリスト

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いしの じゅんや / Junya Ishino

大学卒業後、出版社の宝島社に入社。IT関連の雑誌、書籍を編集する部署で、数々のケータイ関連誌を立ち上げる。独立後は、ジャーナリスト/ライターとして、モバイルに関連した幅広い企業を取材。ウェブサイトや雑誌を中心に、執筆活動を行う。ネットワークから端末、コンテンツまで、モバイルに関する全レイヤーをカバーする。主な著書は『ケータイチルドレン』(ソフトバンク)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイナビ)。iPhone、スマートフォン関連の解説書なども、多数手掛けている。

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