「ブギウギ」が傑作になるかカギを握る"登場人物" レジェンド「おしん」を超えるためのポイント

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『ブギウギ』の第1回は、スズ子が楽屋で赤ん坊を目の中に入れても痛くなさそうなほどかわいがっているところに、羽鳥が呼びに来るところからはじまっている。そして、ステージに出ないといけないスズ子の代わりに茨田りつ子が面倒を引き受けるというものだった。

ドラマでは、頴右をモデルにした愛助(水上恒司)が登場し、目下、スズ子との愛を育んでいる。この先立ってしまう人物の存在も、ブギの女王の誕生には大きな存在となる。笠置シヅ子は、頴右との愛を優先し、芸能稼業から足を洗い、家庭に入る気持ちもあったようだが、頴右の死により、芸能生活を続けることになるのだ。

もし彼女が、例えば山口百恵のように結婚引退していたら、どうなっていただろうか。1人の女の艱難辛苦の人生がどんなふうに『ブギウギ』では描かれるだろうか。

美空ひばりは登場するか

もう1つ気になる点がある。美空ひばりの存在だ。昭和歌謡の絶対王者・美空ひばりと笠置シヅ子は関わりがあった。美空ひばりは笠置のモノマネをしていた時期があり、その後、2人には確執が生まれたと言われている。が、真偽のほどはわからない。

はたして『ブギウギ』ではそこに踏み込むだろうか。筆者は先日、ある週刊誌で、朝ドラのレジェンド『おしん』を『ブギウギ』は超えるかというお題に対して、もしも美空ひばりをモデルにした人物が出たら後半戦は盛り上がるだろうと希望を述べた。

服部良一、淡谷のり子をモデルにしたキャラクター、榎本健一らしきキャラがいて、黎錦光と李香蘭は実名で出ている。これだけ笠置と関わった著名人が出ているのだから、美空ひばりにも出てほしい。出るとしたらどんな名前でどんなキャラになるのかズキズキワクワクする。これはNHKのポテンシャルを見せつけるチャンスだと思うのだ。

木俣 冬 コラムニスト

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きまた ふゆ / Fuyu Kimata

東京都生まれ。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。

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