北朝鮮「不気味すぎる挑発行為」が意味する危機 「南」と呼んでいた韓国を敵国扱いするように
1991年、南北基本合意書が結ばれて以来、韓国と北朝鮮は、南北関係は国と国との関係ではなく、統一を目指す過程で暫定的に形成される特殊な関係であるという認識を共有してきた。同じ民族だから、統一が必要であるという考え方だ。
南北はお互いを「南」「北」と呼んできた経緯があるが、昨年夏頃から北朝鮮は韓国を批判する際に韓国の正式名称である「大韓民国」で呼ぶ事例が増え、南北関係を国と国との関係に転換しようとする動きを見せていた。今回その方針を明確にした形だ。
さらに、金総書記は、韓国を「敵」と呼び、「有事の際、あらゆる物理的な手段を動員し韓国の全領土を平定するための大事変の準備に拍車をかけ続けていかなければならない」と述べた。こうした発言に、南北関係の改善はさらに難しくなったという見方が強くなっていた。
北朝鮮がさらなる挑発に出る可能性は高い
こうした動きの中、北朝鮮は、「朝鮮半島の火薬庫」に軍事合意に反する砲弾の射撃を繰り返しているのだ。韓国の通信社聯合ニュース(5日)は北朝鮮の砲弾発射について「衝突を避けるための軍事合意の破棄を宣言した北朝鮮が、ついに行動に出た」と分析。
韓国軍関係者は「今年、北朝鮮がさらなる挑発に出る可能性が非常に高い。軍事境界線付近で局地的挑発を繰り返すと見ている」という見解を示した。
北朝鮮による砲弾射撃は、朝鮮半島にさらなる緊張をもたらす武力挑発の始まりにすぎないという見方がある。韓国世宗研究所の鄭成長(ジョン・ソンジャン)統一戦略研究室長は「今年北朝鮮は中国とロシアとの関係強化を進めると同時に、去年3月公開した戦術核弾頭の核実験を今年中に行う可能性がかなり高い」と予想している。
連携を深めている日米韓が、強硬路線を宣言した北朝鮮にどう向き合うのか。北朝鮮をめぐる対立は激しくなりそうだ。
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