北朝鮮「不気味すぎる挑発行為」が意味する危機 「南」と呼んでいた韓国を敵国扱いするように
新年早々、北朝鮮が「朝鮮半島の火薬庫」と呼ばれる海域に向け3日連続(1月5日〜7日)で計350発余りの砲弾を発射した。韓国軍が対抗装置として応酬し、着弾した海域付近の島の住民が緊急避難するなど、緊迫した年明けを迎えている。
北朝鮮は昨年、偶発的な衝突を防ぐための南北軍事合意の破棄を宣言し、対決姿勢を鮮明にした。さらに、昨年末金正恩朝鮮労働党総書記が、対韓国政策の「大転換」を表明し、北朝鮮の対決姿勢が一層鮮明になっている。こうした動きの中で行われた北朝鮮の砲弾射撃であり、北朝鮮の意図に注目が集まっている。
こうした中、韓国軍は8日の会見で韓国軍は、2018年に結ばれた南北軍事合意に基づく海上の「緩衝区域」は事実上消滅したとの認識を明らかにしており、今後朝鮮半島の緊張はさらに高まりそうだ。
韓国が異例の応酬
5日の北朝鮮による砲弾射撃が始を受け、韓国軍の合同参謀本部は緊急会見を開き、「北朝鮮が黄海上(朝鮮半島の西部)の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)に近い延坪島(ヨンピョンド)に向け、約200発の砲弾を発射した」と発表した。北朝鮮の砲弾は、韓国が設定する北方限界線(NLL)の北側に着弾し、韓国側の被害はないという。
この海域は、2018年に結ばれた南北軍事合意で射撃が禁止される海域であり、北朝鮮の砲弾発射は合意違反に当たる。韓国軍は400発の砲弾射撃で応酬した。この海域で韓国軍が対抗装置を取るのは異例のことである。
今回北朝鮮が発射したとみられる砲弾の射程は約30キロメートルで延坪島全域が射程に入る。筆者は、取材で何度も延坪島を訪ねたことがある。その時、島の現状についての話を聞かせてくれた住民の安否が心配になった。メッセージを送った。
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