災害時に駆け込む「ホームセンター」も被災の実態 コメリとムサシは石川県内に深刻な被災店も

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コメリの看板
新潟発祥でホームセンター業界4位のコメリは、店舗だけでなく物流センターも被害を受けた(編集部撮影)

災害時の必要物品を多数取りそろえるホームセンター。しかし元日に発生した能登半島地震では、ホームセンター各社も被災した。

中でも、新潟地盤で全国に1200店超を展開するコメリは、1月4日時点で5店舗が営業休止に追い込まれた。いずれも石川県内の店舗で、「コメリハード&グリーン穴水店/輪島店/内浦店/門前店/中島店」。

とくに穴水店の被害は大きく「天井が落ち、駐車場の地面に亀裂が入った。店に行くまでの道路も大きく被災している状況」(コメリ広報)。5店舗とも、店内の商品のほとんどが地震発生時に崩れ落ちた影響で激しく損傷した。全商品を入れ替えなければ営業再開が難しい状況という。

一方、震災直後は営業休止をしていた「コメリハード&グリーン七尾店」は、4日に敷地内での対面販売を開始、5日から通常営業の再開を予定している。被災地ではグリーンシートや修繕用品、暖房用品などが売れているという。

新潟の物流センターも被災

コメリでは地震の影響で、新潟エリアの物流センター内の機械が動かなくなった。他センターでフォローしながら、北陸エリアをはじめとする各店舗へ商品供給を続けている。

本社を構える新潟本部からは、1月5日に1陣目となる応援部隊が被災店舗へ向かい、10日に2陣目が向かう予定。アルバイトを含むスタッフの安否については、最終的な確認を進めている段階という。

北陸エリアに複数店を構えるアークランズも、フランチャイズ2店舗が営業休止に追い込まれている。「ホームセンタームサシFC能登店/FC珠洲店」は、営業再開の見通しが立っていない。建物が大きく損傷し、店舗内の棚が倒れたことで商品も被害を受けた。「ホームセンタームサシ氷見店」は災害直後に休業へ追い込まれたが、現在は営業を再開している。

アークランズは2020年にビバホームを買収し、業界5位へ浮上。買収前から、北陸エリアを中心に巨大ホームセンター「ムサシ」を展開してきた。店舗によってはところどころにひび割れが入るなど被害影響は大きい。営業しながら、修繕を続けていく必要がある。

今シーズンは暖冬で、ホームセンター各社では除雪用品や防寒用品などの動きが鈍かった。しかし元日の大地震の影響で、損傷した家屋や家具の修理用品や、防寒関連グッズのニーズが高まっている。被災地に必要な商品が届けられるよう、物流、人員ともに対応に追われている。

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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