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2024年「世界の株価が暴落する」と読む7つの理由 次にバブルが崩壊したら一体どうなるのか

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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賢明な読者ならすでにお気づきのように、時価主義は逆回転しうる。「誰も買いたくない」「皆が売りたい」ときに、誰かが思い余って、安く売ってしまうと、一気に時価総額は下がる。下がり始めれば「われ先に」と売るから、価格はとことん下がっていくのである。膨張したメカニズムは逆回転し、金融市場は縮小、銀行融資も縮小、その結果、実体経済も縮小するのである。

金融が縮小すれば、近代資本主義経済も縮小する

「リスクテイクが経済成長を生み出す」という神話も間違っている。リスクテイクが新しいものを生み出すのではない。

シュンペーターの主張したように、イノベーション自体が経済を発展させるのではなく、そのイノベーションに対して、銀行家が信用創造で、現在の経済市場には含まれていなかった新しい資本を追加的に供給することによって、経済は拡大、発展するのである。リスクテイクに対して金融が付くから経済は拡大するのである。

したがって、資本注入量が減少すれば、どんなに技術革新があっても、どんなに人々の生活が前よりも便利になっても、経済規模、GDPは値付けとして縮小していくのである。買うカネがなければ、経済は拡大しないのだ。

だから中世は、経済規模は拡大しないが、技術進歩は起こり続けた。値が付かなかっただけであり、王侯貴族が支出しなかっただけなのである。これからは、そういうことが起こるだろう。技術進歩が起きようとも、いかなる進歩があろうとも、金融が縮小すれば、金融市場の時価至上主義で成り立っている近代資本主義経済は縮小していくのだ。

以上の議論には、私はかなり自信がある。これが事実として歴史となっていくだろう。一方で、2024年に短期のバブルもついに崩壊するのかどうかについては、それほど自信はない。中長期の見通しはこの15年、ほぼ予想どおりになったにもかかわらず、毎年のヘッジファンドトレーダーとしては失格続きだから、いささか自信を失っている。そして、この記事の大半の読者が期待しているのは、この短期の見通しだ。

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