「お金あっても不幸な人」「なくても幸せな人」の差 田内学×銅冶勇人「お金か仲間か」対談【後編】
銅冶:アフリカからは、元気をたくさんもらって帰ってきていますね。
田内:よく「受け取るものが多い」って言っていますよね。
実際に銅冶さんの周りって、会社でもキャッキャしていたし、みんなエネルギーをもらえている感じがしていました。
銅冶:どこかで他人の目を気にして生きている自分の幅の狭さとか、豊かさとはなんだろうとか、行くたびに自分の生活を見直します。
田内:他人の目は、気になりますよね。協調性のいい面でもあり、悪い面でもあるよね。
銅冶:自分をよく見せたい気持ちも当然ありますしね。
だけど、それは他人の物差しで自分を決めていて、自分の物差しで自分を判断できていないってことだと思うんです。
ガーナの人たちに会って彼らの生活を見ると、自分が何を志して何を達成したいのかがはっきりしているし、人との接し方や言葉もシンプルなんですよね。
オシャレは好きだけど、着飾るってことが、見栄を張ってどうこうすることじゃないんです。
田内:全部自分の幸せのためなんですね。お金の話にもつながるけれど、そのお金を使って何がしたいのか、自分にとっての幸せが何なのか、これがわかると幸せになれると思います。
もちろん幸せのためにお金を増やすことも必要だけど、周りに自慢したいからとかじゃなくて、お金でどう幸せになるのかが大事ですよね。
「僕たちの範囲」をどれだけ広げられるか
田内:お金ってね、たとえば自分では作れない美味しいご飯をレストランで食べるとか、要は「自分にできないこと」を誰かに解決してもらいたいときに使うんですよ。
そういう意味ではやっぱり仲間を作るってことはすごく大事なんです。お金なんてなくても、本当に困ったときにお願いできる仲間がいる、それがすべてな気がするんですよね。
銅冶:本の中で出てくる「僕たちの範囲」っていう言葉に共感して、ここが1番しっくりきました。
同じ志を持ってくださる方と「僕たち」っていう大きな範囲で、どう気持ちを共有できるのかっていうことがすごく大事だと思うんですよね。
アフリカの人たちのためにやってて偉いとか、そう言っていただけるのは嬉しいんですけれど、最終的に「僕たち」のためっていうのが結論なんです。
田内:それは一緒に働いている社員の人たちとも同じような認識なの?
銅冶:そうですね。組織として何を目指しているのかがすごくクリアです。
まとまらないときももちろんあると思うんですけれど、暗黙の了解はないので、共有は絶えず続けています。