東大生断言「教えないほうが成績上がる」その真意 塾にも通わせているのになぜ成績は伸びない?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「頭がよくなる」というのは、「新しい知識を得て、知らなかったことがわかり、問題解決に生かすことができるようになること」だと定義できます。

この定義で考えた場合に、少し年月が経ったら忘れてしまうような学校の授業は、はたして「頭がよくなる」と言えるのでしょうか?

もちろん僕は、「授業が無駄だ」と言いたいわけではありません。

ですが、そもそも多くの人は、「頭がよくなる瞬間」というものを間違えて解釈していると思っています。

これは教育学的に証明されている話なのですが、人間が物事を記憶したり、知識を生かせる状態になるのは、知識をインプットしている瞬間ではなく、アウトプットしている瞬間です。

たとえば先生の授業を聞いたり、教科書を読んでいるだけでは、あまり記憶には定着せず、問題を解くこともできません。

情報を自分の中に取り入れる「インプット」の時間では、頭はよくならないのです。その内容を自分なりに咀嚼して、問題を解いたり、ノートを取ったり、人に説明したりして、情報を自分の中から外に出す「アウトプット」の時間にこそ、頭はよくなっていきます。

人の話を聞くだけでは覚えられない

実際に、コロンビア大学では、「覚えるべき事柄をインプットする時間とアウトプットする時間を計り、実験者たちがどれくらいの割合のときに一番成績が高いのかを計測する実験」が行われました。そのときに、「インプットの割合が3割・アウトプットの割合が7割」のときに、いちばん記憶に定着することがわかったのです。

要するに、人の話を読んだり聞いたりしているだけでは人は物事を全然覚えられず、問題を解いたり説明したりしているときのほうが物事を覚えやすいのです。

この話を知っていただいたうえで、同じ質問をさせてください。

「授業を聞くと、頭がよくなる」。これは、○でしょうか?×でしょうか?

僕はこの問いの答えが×だとは思っていません。ですが、「授業を聞くだけでは、頭はよくならない」というのは明確ではないかと思います。

真に頭がよくなるのは、人から何かを教わっているときではなく、自習の時間です。自分で時間をコントロールして、自分で考えて、自分なりに咀嚼して、ノートにまとめたり、問題を解く時間が長くないと、成績は上がらないのです。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事