12月にもある「クマ襲来」私たち日本人が戦う方法 そこには狩猟期間と報酬の問題もあった

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軽井沢でも熊対策の取り組みは進む。たとえば、NPO法人ピッキオは、熊にチップを付けて移動実態を知るようにしている。また、熊の匂いや気配を察知するように訓練された犬(ベアドッグ)を保有、飼育している。これはアメリカのベアドッグ育成機関Wind River Bear Instituteから2004年に日本初で導入したもの。大きな鳴き声で吠え、クマを森に追い払っている。

最近、渋谷ハチ公と同じ秋田犬が大きな声で吠えて熊を追い払う動画も話題になった。大きな声で吠える大型犬、秋田犬を熊対策のために飼うという選択肢は今後もっと注目されるかもしれない。

自衛グッズも揃えておきたい

熊に出くわさないよう自身でも自衛を心がけたい。よく山に行くときに熊鈴をつけて鳴らしていくがそれも万能ではないと言う。

万能とまではいかないものの、自衛に役立つ「熊鈴」

そうした中、ヒットしている商品が「熊の撃退スプレー」。主要成分の唐辛子成分であるカプサイシンは熊の末梢神経を刺激して焼けるような感覚になるらしい。

市街地で使うことは許されていないが、熊や猪対策などで山登りや農作業、山菜採りやキノコ採りなどへの携行は許されている。スプレーを噴射できる範囲は7〜8m程度。緊急対策用として携行し、熊の鼻先に向かって噴射すると熊が一目散に逃げるという。

熊撃退スプレーでは、輸入商品である「ベアーアタック」も話題だ。1万7600円(税込み)と高額だが、Amazonでも品切れ続きとなっている。最近、筆者もようやく入手したが、ひとり1本持っておくとお守りにはなりそうだ。

熊撃退スプレー「ベアーアタック」

ここまでさまざまな対策について紹介してきた。確実な対策は確立しているわけではないが、トライ&エラーで対応を考える、熊と人間の知恵比べの時代に入っているといえる。

市街地に熊が現れることが当たり前になってきた現状をターニングポイントと認識し、熊と人間の課題抽出、共存の方法、報酬のあり方、今後の対策について、みんなで真剣に話し合う時期が来ているのは間違いない。

川井 潤 旅する食べるマーケター

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かわい じゅん / Jun Kawai

2015年まで博報堂DYメディアパードナーズ勤務。現在もアドバイザーを続ける。
渋谷区CFO(Chief Food Officer)、食品メーカー多数、IT企業数社、その他地方行政、商工会議所等のアドバイザー。テレビ番組「料理の鉄人」企画ブレーン、雑誌「dancyu」、幻冬舎「ゲーテWeb」、産経新聞などへの執筆多数。食べログフォロワー数No.1(2022年9月3日現在59858人)。

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