日本で「クマ被害」なぜ増加?1つの興味深い視点 野生動物との「付き合い方」を見直す分岐点に
今年は日本全国でクマによる被害が多くあり、痛ましい限りである。筆者が住む北海道でも道北地域の朱鞠内湖(しゅまりないこ)で釣り人がヒグマに襲われて死亡している。
よく知られているとおり、ヒグマは北海道に生息し、本州以南に見られるツキノワグマとは別の種である。ヒグマはツキノワグマに比べ、凶暴で人を襲うというイメージがあるが、実際には、主食は野草や木の実、昆虫であり、動物を襲うことはそれほど多くない。
北海道ではヒグマの痕跡をマッピング
筆者は北海道で林業に従事している。この春、苗木を植えて間もない造林地で作業していた際にヒグマの足跡が明瞭に残っていたのでヒヤリとした。それでも、苗木の根元を踏んで倒れないようにする作業(「根踏み」という)は続けた。
というのも、クマは基本的には警戒心が強く、人がいるところに近寄ってくることはほとんどない。しかも、造林地のように隠れる場所もなく見晴らしがよいところであればなおさらである。そのため、危険は大きくないと判断したのだ。
それでも、ヒグマの危険性を侮ってはならない。不意に山道で出会ったりして、ヒグマを驚かせてしまえば、襲われる可能性も十分ある。
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