「深刻な薬不足」に陥る薬局に考えられる解決策 全国の薬局が供給不足に陥った複雑な要因
薬不足の問題に加えて、医療業界で大きな課題になっているのが「人材不足」です。近い将来、医療現場と国民の生命に深刻な影響を及ぼすと考えられています。
近年、「2025年問題」や「2040年問題」といった言葉を耳にする機会が増えました。これらは、超高齢化社会で生じるあらゆる問題のことを指します。
医療や介護の側面でみると、高齢者が増えてニーズが高まる一方で、労働力不足がますます深刻化する恐れがあります。そのため、今のうちにさまざまな手を打っておく必要があります。
2023年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2023」においては、「持続可能な社会保障制度の構築」として、2025年問題と2040年問題を見据えた医療・介護サービスの改革が盛り込まれています。
この改革の基本方針によると、今後の超高齢化社会で、高い品質の医療・介護サービスを安定して提供するには、労働力の確保と効率化、そしてデジタル技術の導入が必要であると定めています。この改革の柱となるのが、医療DXです。
医療DXの具体的な方向性
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術の導入によって社会や生活、ビジネスのスタイルそのものを変革することを意味します。では、医療DXとはどういうものなのでしょうか。
厚生労働省がまとめた第1回「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チームの資料によると、医療DXとは、保険・医療・介護のすべてにおいて、デジタル技術を用いて業務効率化を進め、より良質な医療やケアを国民が受けられるようにすることを指します。医療DXは「全国医療情報プラットフォーム」「電子カルテ情報の標準化」「診療報酬改定DX」を3つの骨格として、ロードマップを作成しています。
医療DXの推進に関する工程表〔全体像〕では、2023年に大きな話題となったマイナンバーカードと健康保険証の一体化についても明記されており、保険・医療・介護の包括的な改革がすでに始まっていることがうかがえます。
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