独学で東大合格した声優の勉強法は「はしご酒」? 勉強場所や科目のホッピングが生む意外な効能とは
そういう周りの動きや変化が、いま自分が頭に入れようとしている歴史上の出来事や地理的事象と合わさって記憶されて、あとで思い出すときにトリガーのように働いたことがありました。
江戸時代に幕政の改革(「享保の改革」)を主導したのは徳川吉宗で、その項目を読んでいるとカフェのスタッフさんが隣のテーブルを片付け始めて、改革には新田開発も重視されていて、スタッフさんは吉宗には似ていないけれど(徳川吉宗の絵が本に載っていたのです)、仮に吉宗さんという名前だとしてこのテーブルを新田だとしたらテーブルの片付けは新田の開発になるのかな(さすがにこじつけがすぎる)と思ったりして、ああこのBGMはアイズレー・ブラザーズの「This Old Heart of Mine」(1960年代のポップス曲)だこれ超好きな曲、改革は1700年代の初めの方で(1716‐1746)、壁の時計を見たら18時40分だったので17時16分じゃないのかおしい、などと思って、でも享保の改革はだいたい夕方5時半くらいだねと勝手に納得してコーヒーを口に運び、「おお、そうだ。倹約させて年貢も増やさなければな」(このときはなぜか突然に自分が吉宗になっている)とひとりごちる。
「享保の改革」のワードから記憶の連鎖が
こうすると、それ以降「享保の改革」の文字を見るだけで、カフェとスタッフさんとテーブル片付けと5時半を指す時計のイメージとそのときにつぶやいた倹約やら年貢やらの「セリフ」が、「This Old Heart of Mine」のメロディーとともによみがえってくるのです。
そのときのことがすべて思い出せることもありましたが、たまに、「あれ? 『享保の片付け』だっけ? でテーブルの片付けって結局なんのことだったんだっけ」と混乱することもありました。失敗もままあります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら