筆者がこれまで見てきた婚活女性でいうと、男性に触れ合うのを避けたがるのは、再婚者よりも初婚者に多い。
加齢によって身体的にも精神的にも変化が生まれ、性欲は衰えていくし、男性も完璧に行為ができるわけではない。ただ、それでも触れ合いたいと思うのが男心だ。女性側にもある程度の性的欲求や好奇心がないと、シニアの結婚は難しい。
婚活よりも推し活が優先
自営業のさとえ(60歳、仮名)は、1000万円近い年収を稼いでいるバリキャリだ。2年前に、25年の結婚生活に終止符を打ち、熟年離婚をした。
「体の動くうちは仕事はしたいと思っています。仕事をするのは社会と関わりを持つことなので、生きていく張り合いになりますから」
入会面談のときに、こんなことを言っていた。1人で生活していくには困らない収入があるのに、なぜ再婚を考えたのか?
「2人の子どもも社会人になって、独立しました。子どもには子どもの人生がありますから、私が動けなくなって仕事ができなくなったときに、子どもに面倒を見てもらうのは嫌だなと思ったんです」
再婚を希望するシニア女性で、さとえのように経済的に自立しているのはレアなケースだ。結婚をして、経済面を男性に頼りたいと思っている女性たちが多い。持ち家がなかったり、離婚時の財産分与が十分な金額でなかったりすると、なおさらだ。
それでいうと、さとえは自分で購入した分譲マンションがあり、老後困らない預貯金額もあった。
「マンションを売ったり貯金を出したりすれば、介護施設にも入れると思います。でも、それでは寂しい」ので、見合いする男性は、資産や財産を持っているというよりも、「人として面白い人」「一緒に暮らして楽しい人」だった。
婚活をスタートさせ、いくつか見合いをしたのだが、なかなか気の合う相手に巡り会えずにいた。
「60代の男性ってアクティブではないし、静かな隠居生活みたいなものを望んでいる人が多いことにびっくりしました。私が想像していたのとかけ離れていた」
そんななかで、こうじ(63歳、仮名)は違っていた。スポーツジムに行くことを日課にしており、体も引き締まっている。数年前までは、市民ランナーとして、フルマラソンの大会にも出場していたという。
「今日の方はとてもお話が弾みました。ぜひ、交際希望でお願いします」
そして仮交際に入ったのだが、2度目のデートを終えたところで、こんな連絡が来た。
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