「日本語通じない若者」どんどん増えてる根深い訳 "意思疎通"を阻む「あいまい言葉」という盲点

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では、広がってしまったコミュニケーションの溝を埋めるためには、どのようなことを意識したらいいでしょうか。

会話のズレを防ぐ3つのコツ

①「あいまいさの尺度」が必ずしも会話相手と合致するとは限らない、と心得る

自分と他の人との頭の中では、指し示すモノが違っているかもしれないと思えば、選ぶ言葉も自ずと慎重になるはず。

②時間や数字などをはっきり具体的に伝える

たとえば「30分後に」「7時から7時15分の間に」などと。

幅を持たせる「くらい」「ころ」の使用は慎重に。「4時くらいに」と言うと、3時半過ぎから範疇内とする人もいれば、4時半まではOKと思う人もいて、さまざま。

③共通のモノサシを用いる伝え方も

「夜9時のニュースが始まるまでに」と、共通認識できるものを指し示してもよい。

【時間における若者の解釈:推理クイズの答え】
「6時8分、あるいは9分」
つまり「6時10分の『少し前』」と捉えているのですね。
山口 謠司 大東文化大学文学部教授

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やまぐち ようじ / Yoji Yamaguchi

1963年、長崎県佐世保市に生まれる。
大東文化大学文学部中国文学科教授。中国山東大学客員教授。博士(中国学)。大東文化大学文学部卒業後、同大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。
著書にはベストセラー『心とカラダを整える おとなのための1分音読』(自由国民社)、『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』(ワニブックス)などがある。

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