「年俸10億円コーチ」に共通する3つの問いかけ 夢の国でも実践!現場の知見とデータの掛け算

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表舞台に立つアスリートのみならず、それらを支えるコーチまでもが高給取りとなりうるのは、スポーツビジネスが巨額な利益を生み出す産業だからに他なりません。そして、スポーツビジネスをそこまで成長させた大きな駆動力のひとつは、間違いなくデータサイエンスです。

ブラッド・ピット主演の映画『マネーボール』をご存じでしょうか。アメリカの弱小球団が統計学的手法をもとに、常勝チームへとのし上がっていく実話をもとにしたヒット作です。同作ではスポーツの世界で勝者となるためにはデータ分析が不可欠である現実が、わかりやすい形でエンターテインメント化されています。

一流のコーチ=データサイエンスの専門家ではない

そもそもスポーツとは定められたルールの下、特定のシチュエーション(試合)とメンバーでベストなプレイを再現できるようトレーニングするものですから、データサイエンスとの相性が抜群なのは当然のことでしょう。

近年は日本でもデータを活用したスポーツアナリティクスの導入が各競技で進んできました。センサー、データ分析ソフトの進化とウェアラブルデバイスの普及によって、選手の動きがより詳細に取得できるようになった影響も大きいでしょう。スポーツアナリティクスの市場規模は2030年には約57億ドルに成長すると予測されています。

もはやどの競技においても、世界的な強豪チームのバックではテクノロジーとデータサイエンティストの活躍があると言っても過言ではないのです。

では一流のコーチ=データサイエンスの専門家なのかというと、もちろんそうではありません。各スポーツの経験値という土台の上に、データサイエンスをうまく取り入れ、活用できる。または専門家とうまく協業することができる。それこそが10億円クラスの年俸を手にしている優秀なコーチの共通条件です。

しかも、データサイエンスが有用なのはスポーツコーチに限定した話ではありません。どの産業においても、昨今は経験豊富な現場のみが会得していた知見が、続々とデジタルに変換されています。

テクノロジーの進化によって、広く深い多種多様なデータを大量に収集できるようになりました。また、例えばグーグルアナリティクスのような分析ツールも充実し、安価に使えるようになっています。データを活用し、データサイエンティスト的な思考ができるようになれば、ビジネスにおいても提供できる価値の質は格段に上がります。

これからのデータ活用は一部の大企業や、テクノロジーに明るい企業だけに限ったものではありません。中小企業や、これまではベテランの勘と経験のみに頼っていたデータ活用とは一見縁遠く見える伝統産業などにおいても、データを活用することで、ビジネスの判断をより安定的、かつサステナブル(持続可能)にスケールする時代がすでに到来しているのです。

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