旧ジャニーズの「メタバース参入」勝算はあるか 「最先端技術でアーティストの才能を拡張」とは

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ゲーム型は決まった動きしかできないものが多いが、交流型は身体の動きを反映できる。タレントが身振り手振りを交えてファンとのコミュニケーションが取りやすい。現実では離れた場所にいるため、タレントのアバターがファンの側に寄っても安全だ。ファンクラブの特典として、バーチャルではあれどタレントと会える話せるイベントを低コストで実現できるメリットもある。

オンラインでファンの反応を、熱気をつぶさに確認できることから、マーケティング施策のためのテストもできるだろう。

VTuberが所属する可能性も

ファンとしては、見たいのは本物のタレントなんだ、という思いがあるだろう。3DとはいえCGで描かれた、または3Dスキャンで作られたアバターを見たいわけじゃないんだという声もあるはずだ。

しかし「今いるスターたちと、これから出現するスターたち、それぞれの個性や目標によりそい、伴走する。そして、ここから新たな伝説をスタートする」の一文を考えると、今回所属することになったタレントだけではなく、新たなタレントをマネジメントする意思があるようだ。もしそのタレントに、VTuberが入っているとしたらどうだろうか。

元来、ルックスがCGキャラクターとなるVTuberはメタバースとの相性が極めて良い。そしてVTuberは海外市場でも受け入れられているエンタメジャンルだ。グローバル展開&メタバース市場参入、両方の狙いを解決する存在となるのではと想像できる。

もちろん不安要素はある。現在のメタバースは同じ空間内にいられるユーザー数が多くても100人程度だ。これではバーチャルライブのようなコンテンツを打ち出したときに、見たくても見れない人が多いし、何よりも商売としての成功の芽が感じられない。

ただし、参加人数に関してはネットワークのスピード、サーバーの規模といった技術が解決してくれる。1つの仮想会場に参加しているオーディエンスは50人だったとしても、複数の仮想会場のオーディエンスを全員表示させるシステムの開発も進んでいる。事実、先日開催されたVTuberのライブでは400人のオーディエンスが1つの空間に集まっているように見せていた。

今はまだ拙い面があるメタバースではあるが、今後の発展への期待をかけチャレンジすることは「STARTO ENTERTAINMENT」にとってマイナスになるとは思えない。

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武者 良太 フリーライター

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むしゃ りょうた / Ryota Musha

1971年生まれのガジェットライター。90年代に出版社勤務の後、フリーライター/カメラマンとして独立。スマートフォン、モビリティ、AI、ITビジネスからフードテックなど、ハードウェアレビューから、ガジェット・テクノロジー市場を構成する周辺領域の取材・記事作成を担当する。元Kotaku Japan編集長。

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