旧ジャニーズの「メタバース参入」勝算はあるか 「最先端技術でアーティストの才能を拡張」とは

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ゲーム型はテーマパークのアトラクションのようなコンテンツ展開が得意で、しかもユーザーは世界中にいる。グローバル展開の視野も考えると、ミニゲーム等で遊んでもらいながらタレントやアイドルグループのテーマを広く伝えて、新しいファン層の開拓・獲得を狙うのであれば向いているといえる。

ファンコミュニケーションの加速化が期待できる

交流型の場合は、まずファン同士のコミュニケーションを活性化できるメリットがある。

一例として、NTTグループが提供するメタバースプラットフォーム「DOOR」におけるエンタメユニットすとぷりの事例を紹介したい。渋谷ヒカリエにあるオフィスを再現した仮想空間は、累計アクセス数が100万近くとなっている。ファンにとっては、ファンだけが集まる聖地としての認識があるようで、アクセスしたユーザー同士が推しに対する気持ちを熱く語り合う場となっているという。

現実のオフィスをミラーワールド化した、エンタメユニットすとぷりの公式ワールド。VRChatでも公開されており、すとぷりの楽曲を鳴らせる機能も備えている(筆者撮影)

「メタバースは人気がない、オワコンだ」と言われる原因の1つは、また訪れたいと思わせない仮想空間が多いことではないだろうか。平面的なポスターを飾り、アピールしたい製品だけを並べている場だと人の気配がなくホラーな印象も感じ取れてしまう。美しく描かれた空間も感情を大きく揺さぶるものではなく、一度見たらそれで良いと判断しがちだ。

しかしコミュニティスペースとなれば話は別だ。その場に行けば同好の士と雑談で盛り上がれるとなると、評価は一転して好印象となる。これは現実のスポーツバーなどにも通じる要素だろう。

交流型メタバースのVRChatで開催されたバーチャルライブ「CIEL LIVE SHOWCASE at VRChat」。現実のライブハウスを彷彿とさせる空間が弾け飛び、天井も壁もない広々とした空間へ転換させていた(筆者撮影)
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