ダイナックスは北海道千歳市に本社を置く自動車部品会社です。オートマチック変速機の部品を製造しています。
同社の製品を搭載したトヨタセルシオが、米国フォードの目にとまったことが契機となり、海外との取引きが拡大しました。現在では、米国・中国・メキシコ・タイに生産拠点があり、同社部品の世界市場シェアは4割を超えています。
同社では品質へのこだわりから、製造機械を内製化しています。工作機械メーカーに頼っているのではありません。納得できる製品を作るには、製造機械にも妥協できないということです。このこだわりが同社の強みです。
メーカーや車種によって求められる性能が異なることから、同社ではプロジェクトごとに担当者を決めて、自動車メーカーと細かく打ち合わせをしながら開発・製造を進めています。いわゆる、すり合わせによる生産活動を行っています。自動車メーカーと密接な関係があるからこそ、優秀な製品を作ることができますし、そこから新たな技術が生まれることもあります。
「グローバルニッチトップ企業100選」の中にはダイナックスのように有名ではないが、実力のある中堅・中小企業が掲載されています。経済産業省のHPから閲覧できるので皆さんの企業研究に役立てて下さい。
表彰企業の中から選ぶ
公益社団法人の中小企業研究センターは全国の中小企業の中から、経済的、社会的に優れた成果をあげている企業を選び、「グッドカンパニー大賞」を贈って表彰しています。グッドカンパニー大賞は「グランプリ」「優秀企業賞」「特別賞」「新技術事業化推進賞」の4部門に分かれていて、毎年10数社の中小企業が受賞しています。
経済産業省の地方部局である各地の経済産業局や、各地の商工会議所が推薦した中小企業を経営の専門家が審査しています。中小企業研究センターのHPには、過去の受賞企業が年度ごとや都道府県ごとに掲載されています。掲載一覧表の中から企業を選んではいかがでしょうか。
2014年度のグランプリはフッ素樹脂加工メーカーの中興化成工業と、ベアリングのローラ専門メーカーである東振精機が受賞しました。
今回は中興化成工業を紹介します。フッ素樹脂は、高耐熱性、高耐薬品性、高耐光性をもっているため、半導体、医療・医薬、バイオ、化学、食品などあらゆる分野で用いられています。同社の屋根用フッ素樹脂膜材は世界でもアメリカ、ドイツの各1社と同社を合わせた3社しか製造できません。そして、この製品での同社の世界シェアは第2位です。
2014年3月期の売上高は155億円と大きくはありませんが、中国やタイにフッ素樹脂販売の現地法人を持つなど、グローバル展開しています。
最後に忘れてはならないのは、各大学にあるキャリアセンターです。キャリアセンターはOB・OGの就職を通じて多くの企業情報を持っています。また、大学のキャリアセンター同士で情報交換を頻繁に行っています。キャリアセンターにある中小企業の情報を活用しましょう。
また、大学には多くの企業から求人情報が寄せられています。企業が大学に求人を送るということは、その大学から採用したいということです。キャリアセンターに来ている求人を見ないのは、あまりにももったいないことです。求人票から自分に合った中小企業を探して下さい。求人票の見方がわからない場合は、キャリアセンターの職員に尋ねて下さい。どこの大学でも内定率を上げることに一生懸命ですから、やる気のある学生は歓迎されます。喜んで求人票の見方を解説してくれるはずです。
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