コレステロール高めの人、「肉断ち1カ月」のススメ 知っているようで知らない「善玉」「悪玉」の違い

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現在、わが国で使われているスタチンは、全部で6種類ある。ストロングスタチンのほうが効果は高いが、年齢やコレステロール値の高さ、ほかの生活習慣病の有無、肝機能などを考慮して、決まる。

スタチンを使い始めた初期には、ごく稀に横紋筋融解症(骨格筋を作る細胞が溶けたり壊死したりする症状)という重篤な副作用が起こることがある。その他の副作用としては、じんましんや筋肉痛、肝機能が悪くなる、などがある。そのため、最初の3カ月は毎月医療機関を受診して、効果と副作用を見ていく。

休薬を試してもらうことも

寺本さんのクリニックでは、3カ月以降は2カ月に1度、3カ月に1度……と受診間隔を空けていくそうだ。また、1年分のデータを蓄積しておき、そのデータを患者に渡すという。

「いつ数値が上がっているかが一目でわかるので、自身のモチベーションにもなる」と寺本さんは言う。

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薬を一生続けるかという問題について、寺本さんは「希望する患者さんには、1カ月の休薬を試してもらっている」というが、やめると数値が上がる人が多いそうだ。

「ただ、70代以降は減らしてもいい。今のスタチンの半減期(血中薬物濃度が半分になる時期)は30時間くらいなので、1日おきに服用するという使い方もできます。高齢者では場合によっては服用しないですむこともある」(寺本さん)

(取材・文/伊波達也)

寺本内科・歯科クリニック院長
寺本民生医師
1973年、東京大学医学部卒業。茨城県日立市日立総合病院、小平記念東京日立病院内科を経て、1976年、東京大学医学部附属病院第一内科医員。1980年、アメリカシカゴ大学留学。1990年、同医局長。1991年、帝京大学第一内科助教授。1997年、帝京大学内科教授。2001年、同主任教授。2010年、同医学部長。2013年、同臨床研究センター長。2013年より現職。日本医学会副会長、日本動脈硬化学会名誉会員、その他数々の学会の評議員、理事を歴任。『コレステロール値が高いと言われたら読む本(早わかり健康ガイド)』他、著書多数。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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