日本人を印象操作するヤバいグラフを見抜く方法 数値はウソをついていないのによく見ると…

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

10代と20代の具体的な人数がわからないので、割り振って修正したのが次のグラフです。

ここで紹介した、見た感じと実際のデータに大きな違いがあるグラフは適切なグラフではありません。その乖離を生み出す要素の一つが、3Dなのです。

大学の合格実績をアピールするグラフの罠

同様に、この3D棒グラフを見てください。どのように見えますか? 数値を細かく見る人ならわかると思いますが、2023年度の国公立大医学部・医学科の合格者数より2022年度のほうが多いのに、棒グラフ上はそのように見えないのです。数値はウソをついていません。

スマホゲームのガチャでSSRを引く確率は?
『スマホゲームのガチャでSSRを引く確率は?』(総合法令出版)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

しかし、体積が遠近法によって大きく見えるのです。 私たちは数値とグラフを見た場合、グラフで相場観を見ることが多いので、この図はその特性を意図的に利用していることになります。

また、国公立大と私立大学の合格者数の合計が表示されていませんが、こちらも2023年度より2022年度のほうが多くなっています。そのため、このような3Dグラフは2Dにして見ることが大切です。2Dにすると次のグラフのようになります。

佐々木淳 下関市立大学教養教職機構准教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ささき じゅん / Jun Sasaki

防衛省海上自衛隊パイロット候補生の数学教官、代々木ゼミナール数学科講師を経て現職。防衛省時代は、数学を苦手とする文系パイロット候補生に、パイロットに必要な理系数学を日本で唯一教えていた。教え子は1000 人以上。パイロット候補生の教育とは別に小学生の算数教室などの出前授業を実施、全国紙を含むメディアで紹介。読売中高生新聞の理数コーナーの連載を担当、中高生に実用的な数字・数学を伝えている。保有資格は、数検1 級、AI 実装検定他。過去、雑誌『プレジデント』内数字の学校も担当。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事