猛反対の社内説得し「M-1協賛」、二代目社長の算段 M-1初代スポンサーがオートバックスだった訳

✎ 1〜 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 最新
拡大
縮小

一方で、本田宗一郎さんも言っていますが、ユーモアや冗談は、本当はものすごく頭を使います。能力は自分で磨いていかなあかん。

僕はM-1で優勝した芸人さんと食事をご一緒したとき、いつもお願いしていました。皆さん売れてもバラエティーばっかり出んといてくださいよ、漫才続けてくださいね、と。

バラエティー番組は準備も何も要りません。呼ばれた時間にスタジオ入ったらそれでいい。だけど漫才はネタを作って練習して、これ大変なことです。だから皆、楽なほうへ楽なほうへ流れていってしまう。それはちょっと残念ですね。

全部を知っているわけやないですけど、サンドウィッチマンは定期的に漫才やっていて、それは偉いんちゃうかなと思います。

会社経営も人生もM-1誕生ドラマと同じ

僕は本書でほんの少し登場するだけなんですけども、読んでみて、あらためてドラマの連続やったなと思います。もう1ページ目からドラマです。山あり谷あり、さまざまな難局を乗り越えて人気のある番組になった、そこがゴマすりでなくて本当に面白い。

会社の経営だって、平坦な道なんてありませんわ。山を乗り越えてもう終わりかと思ったら、次の山がまた来るんです。人生でもそうでしょう。それを乗り越えていく過程は、まさに本書と共通するところです。だからお笑いへの興味のある人もない人も、すべての人に本書を読んでほしいと思ってます。

谷良一氏と住野公一氏
『M-1はじめました。』の著者・谷良一氏(左)と十数年ぶりに再会した住野氏(撮影:梅谷秀司)

(構成:笹幸恵)

「M-1はじめました。」が10倍面白くなる
特設ページはこちら

住野 公一 元オートバックスセブンCEO

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

すみの こういち / Koichi Sumino

1948年大阪生まれ。立命館大学経済学部を卒業後、大豊産業(オートバックスの前身)入社。2002年カー用品チェーン「オートバックス」のフランチャイズ本部であるオートバックスセブンの代表取締役CEOに就任。現相談役。「怒りの経営」と呼ばれた先代のカリスマ型経営で硬直した社内を「自主・自発・自律」の企業風土に変えるべく、数々の社内改革を実践してきた。著書に『アホな二代目につけるクスリ』(東洋経済新報社)。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT