漫才コンテスト「M-1グランプリ」の決勝戦が、いよいよ12月24日に迫ってきた。11月に刊行された『M-1はじめました。』は、2001年にM-1を立ち上げた元吉本興業の谷良一氏がM-1誕生の裏側を初めて書き下ろした、まさに大会のお供にもってこいの新刊だ。
自称・お笑い系研究者で大阪大学大学院医学系研究科・生命機能研究科教授の仲野徹氏が、本書を読んでM-1の歴史に思いを巡らせた。
大阪で暮らす私がM-1に思うこと
M-1グランプリ、いまや年末の風物詩である。おおげさなと思われるかもしれないが、大阪で暮らしていると本当にそういう感じがする。
吉本興業と共同で主催する朝日放送テレビ(ABCテレビ)が予選段階から大々的に宣伝するのは当然だし、決勝で王者となったコンビは翌日から在阪局に出ずっぱりといった状況になるから、いやがおうにでも目に入る。優勝したからといって急に漫才が面白くなるわけでもなかろうに、いささか不思議な現象ではある。
まさかご存じでない方はおられないだろうと思うが、念のために書いておくと、M-1のMは漫才のM、若手漫才師日本一を決定する大会である。
2001年に始まり、2010年にいったん終了したが、5年後に復活し、今年のM-1グランプリ2023で19回目を迎える。2010年までに王者となったコンビのほとんどが現在も活躍しているのを見ると、その選考がきわめて正しいものであったことがわかる。
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