猛反対の社内説得し「M-1協賛」、二代目社長の算段 M-1初代スポンサーがオートバックスだった訳

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お笑いだけでは食べていけないから、いろいろなバイトをしている芸人さんが多い。中には実力を認めてもらって世に出る人もいるけど、そうチャンスがあるわけでもない。彼らにとって1000万円は夢のような金額です。そしてM-1で優勝したら一気に評価され、名が知れ渡るわけです。

M-1が成功したのは、そのときの漫才の出来だけで評価される、お笑いにおけるシンデレラストーリーだったからやと思います。

実はウチの社内からもM-1に出たのがおりました。コンビ名は、漫才コンビの「アップダウン」をもじって「アップアップ」です(笑)。

店は20時に閉店ですが、片づけて事務所を出るときは22時頃です。それから近くの公園に行って漫才の練習しよりました。「がんばって1000万円取り返してこい!」と送り出したんですが、なかなか難しいですね。

「いよいよ1000万円取られるんやな」

第1回の優勝は中川家でした。僕はそれまで知らなかったんですけど、こんなに面白い漫才をやるんやとびっくりしました。賞金渡すときは、「いよいよ1000万円取られるんやな」と(笑)。

敗者復活戦は第2回から始まりました。お台場のパナソニックセンターで、部屋はなんぼでもあるのに、そこでやらずにわざわざ屋外で仮設ステージ作ってやるんですわ。

雪が降ってきて、そこでランニングシャツで漫才やっているコンビもおって、さぞかし寒いやろなと。天国と地獄、敗者復活戦はM-1を盛り上げる作戦やった。そこでおあつらえ向きに雪まで降ってくるんですから、最高の演出ですわ。

大井競馬場でやったこともありました。その敗者復活戦で勝って決勝に参加したのがサンドウィッチマン。タクシーで来るのに渋滞にハマって。何とか間に合いましたが、あれ生放送でたどり着けなかったらどうなってたんでしょうね。最初から仕組んだんちゃうかと思うぐらい、ドラマがありました。

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