猛反対の社内説得し「M-1協賛」、二代目社長の算段 M-1初代スポンサーがオートバックスだった訳

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僕はオートバックスの2代目で、創業者である親父は「怒りの経営」で会社を大きくしていきました。売り上げを達成して喜んでいたら、「コラーッ、そんなもんで何で喜んでるんや」「アホかーッ、もっと上があるんや」と怒る。褒めてくれやしません。

それで「ようし、やったるか」と発奮する人もいれば、「これだけやっても評価されへんのかいな」と会社を辞めていく人もいる。そんな従業員を僕は随分と見てきて、「これはいかん」と思うようになりました。

僕は親父が築いた土台の上にちょこんと乗せてもらってるだけ。そんな2代目が「コラーッ」って言ったって「何言うてんのや、こいつ」と思われるだけです。

だから親父が「怒りの経営」なら、僕は「笑いの経営」やと。とにかく褒めたる、喜ばしたる、笑わしたる。そう決めてたんです。そんな会社にM-1のスポンサーの話はぴったりやないですか。「これはGOだな」と最初から思ってました。

社内のほとんどの人が反対した

とはいえ、M-1の賞金は1000万円。全体の予算はその数倍に上ります。社内では、ほとんどの人が反対しました。皆から説教されましたわ。「うちは車の会社ですよ」とか、「それだけ金使うんやったら、ほかにいろいろやることあるでしょう」とか。至極ごもっとも、反論しようにもできません。

そやからここは「すまん、僕の顔を立ててくれ」と平身低頭、お願い作戦です。「そこまで社長が言わはるんなら、しゃあないやろ」と、最終的には皆がしぶしぶ賛成してくれました。

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