保育園"落選狙い"報道に子育て世帯が抱く違和感 育休延長にダメ出し? 育児支援に逆行の恐れ

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納得のいかない保育施設に入ってしまったために、退園を余儀なくされ、仕事をやめざるをえなくなった例も知っている筆者としては、ぜひ園選びには慎重になってほしい。

これらのことを考えると、親や子どもの状態に合わせて不承諾通知がなくても育休期間を選べるようにしたほうが、子育て支援になるのは確かだ。

困っているのは自治体だった

国は2022年に育休延長期間も母親・父親が交代して育休を取れるように制度を改定しており、育休制度を利用しやすくして子育て支援を強化しようという方向性だったのに、なぜこのような流れになるのか、奇妙に感じた人も多いだろう。

この検討は、実は自治体からの提案によるものだった。

内閣府では地方分権改革の一環として、自治体から国への提案を募集しているが、令和5年度の募集において、入園を希望しないが育休延長のために入園申請をする人が増えて、自治体の事務の負担が大きくなっているとの意見が提出された。

自治体では、入園選考にあたり細かい基準に基づいて家庭や子どもの状況を審査し入園者を決定しているが、せっかく入園が決定しても当人が希望していなかったり、そのために必要な人が落ちたりという矛盾に満ちた状況が発生している。

「希望すれば不承諾通知がもらえて育休延長できる」と思い込んでやってくる申請者に、そもそもの制度の趣旨を説明したり、「入れてしまった」ことへの苦情に対応したりする時間も膨らんでいるのだという。

行政事務は本来、法令に基づき厳密に行われるものなので、「必ず不承諾になる入園申請」などありえない。

もしも希望した園の年齢クラスに定員を下回る申し込みしかなければ入園できてしまうのであり、行きたくなければ辞退するしかないが、辞退すれば不承諾通知は出ない。複雑な制度のはざまで納得がいかない親たちの姿が思い浮かぶ。

自治体からのこのような訴えを受けて、有識者会議で議論が行われ、不承諾通知とともに、保護者に申告書を提出させてハローワークの審査を行うことで認定を厳格化する案が出てきたという。

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