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鮮魚も運ぶ!「荷物新幹線」は物流危機を救うか JR東が東北、上越、北陸新幹線で密かに試した

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新幹線による小口荷物輸送はどこまで実現できるか。

新幹線の座席前に置かれた荷物
新幹線の座席前の空いたスペースに置かれた小口荷物(写真:JR東日本)

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コロナ禍収束で、人々の移動が復活し、新幹線需要も回復の一途をたどっている。
『週刊東洋経済』12月9日号の特集は「無敵の新幹線」ビジネスパーソンの移動にはなくてはならない新幹線の「強さ」やサービス、技術力、そしてリニアなど今後の見通しについてリポートする。
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6月16日。東北新幹線の臨時列車「はやぶさ72号」が新青森駅を9時37分に発車した。6〜8号車で座席前に積んであるのは、600箱もの荷物。中身は鮮魚やスイーツ、生花のほか、電子部品だ。行き先の大宮駅には12時30分に到着、ホームで積み下ろしをした──。

以上はJR東日本が実施した新幹線による荷物の大量輸送のトライアルである。

トラック運転手の残業規制で物が運べなくなる2024年問題。鉄道業界からの対策の1つが新幹線を使った荷物の輸送サービスだ。

実はJR東日本はすでに2017年から同様のサービスを始めている。新潟駅などから、列車の車内販売準備室に野菜・果物を載せて運び、東京駅で朝市を開催。2020年にJR北海道などと提携し鮮魚も輸送した。2021年には駅外にある小売店向けの定期輸送にも着手、店まではJR東日本物流が届ける。つけられたサービス名が「はこビュン」だ。

車両基地を活用、広いスペースで荷さばき

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