試験車両「ALFA-X」が4年半の走行で得られた成果とは何か。

東北新幹線を試験走行で疾走する鼻の長い特異なデザインのALFA-X(撮影:伊藤岳志)
コロナ禍収束で、人々の移動が復活し、新幹線需要も回復の一途をたどっている。
『週刊東洋経済』12月9日号の特集は「無敵の新幹線」。ビジネスパーソンの移動にはなくてはならない新幹線の「強さ」やサービス、技術力、そしてリニアなど今後の見通しについてリポートする。
1964年に最高時速210キロメートルで開業し、スピードアップを重ねた日本の新幹線。営業運転の列車で現在最も速いのは、東北新幹線「はやぶさ」の時速320キロメートルである。
が、これを上回る時速360キロメートル運転を目指し、ある列車がテストを続けてきた。JR東日本の試験車両「ALFA-X(アルファエックス)」だ。
ALFA-Xは、東北新幹線と直通する北海道新幹線の札幌延伸を見据えた次世代車両の開発に向けて、2019年5月に登場。今年7月までに東北新幹線の仙台─新青森を中心に約50万キロメートルを走り込んでいった。
青函トンネルを通って北海道新幹線の新函館北斗にも乗り入れている。当初は営業列車の走らない深夜に走行し、2022年5月からは日中の試験に移行。これまでに達成した最高時速は404.2キロメートルである。
360kmは現実的に到達可能な速度
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