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2028年「自動運転新幹線」が走り出す可能性 東海新幹線「次世代車両」の新技術を大胆予測

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東海道新幹線で主役が交代する日がやってくる。その全貌を占う。

N700S「J0編成」の運転席
N700S「J0編成」の運転席。自動運転中なので運転士の業務は最小限だ(写真:JR東海)

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コロナ禍収束で、人々の移動が復活し、新幹線需要も回復の一途をたどっている。
『週刊東洋経済』12月9日号(12月4日発売)の特集は「無敵の新幹線」ビジネスパーソンの移動にはなくてはならない新幹線の「強さ」やサービス、技術力、そしてリニアなど今後の見通しについてリポートする。
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東海道新幹線の目下の主役といえば、2020年7月に営業運行を開始した最新車両の「N700S」。しかし、いずれさらなる新型車両が開発され、新旧交代の日は来る。新たな車両はいつ登場するか、どんな性能を持つのか。それを占うような走行試験が5月10日の深夜に行われた。

最終列車が出発して人けのない浜松駅ホームにN700S車両が姿を見せた。車体には「J0」という記号が記されている。

J0編成は量産車に先立ち製造された第1号車両。停電時のバッテリー走行などN700Sに搭載された数々の新技術の性能確認を行う確認試験車だ。試験走行のデータは量産車の製造に反映される。J0編成は量産車の運行開始後も営業車両に転用されず、新技術の開発用車両として活躍する。

自動運転は28年導入か

この日は浜松─静岡間を「自動運転」する走行試験が行われた。鉄道の自動運転は古くから行われているが新幹線での営業運転の例はない。JR東海が目指すのは国土交通省の分類で「半自動運転」と呼ばれ、運転士が発車操作を行うと、その後の速度調整や駅での停車はすべてシステムが担当する。

浜松駅を出発した列車はぐんぐんスピードを上げ時速200キロメートル超で走行。その後は加減速を繰り返す。自動運転システムは線路のカーブや起伏、天候、省エネ性などを加味し、目的地までの距離や必要な速度をリアルタイムで計算し速度を調整しているのだ。

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