2030年度開業に数々の試練が重なる。JR北海道の経営自立にも影響が。

現在の終点、新函館北斗駅に到着する北海道新幹線。在来線の函館駅までの乗り入れ構想も浮上している(写真:記者撮影)
コロナ禍収束で、人々の移動が復活し、新幹線需要も回復の一途をたどっている。
『週刊東洋経済』12月9日号の特集は「無敵の新幹線」。ビジネスパーソンの移動にはなくてはならない新幹線の「強さ」やサービス、技術力、そしてリニアなど今後の見通しについてリポートする。
2030年度末の北海道新幹線札幌延伸は延期か──。以前から浮上していた懸念が本格的に巻き起こっている。きっかけは10月上旬、札幌市が30年の冬季五輪招致を断念したことだ、これを理由に開業を急ぐ必要がなくなり、政府が延期の検討に入ったと一部で報道された。
「現時点において国土交通省として開業目標を変更したという事実はない」。斉藤鉄夫国交相は10月10日の記者会見で、北海道新幹線の札幌延伸時期については、従来の30年度末の目標を変えていないと表明。JR北海道の綿貫泰之社長もその直後に開いた記者会見で、国が開業目標を変更したとの認識はないと述べたのである。
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