かつての「高速運転の実現」から、改良の目的が変わりつつある。
コロナ禍収束で、人々の移動が復活し、新幹線需要も回復の一途をたどっている。
『週刊東洋経済』12月9日号の特集は「無敵の新幹線」。ビジネスパーソンの移動にはなくてはならない新幹線の「強さ」やサービス、技術力、そしてリニアなど今後の見通しについてリポートする。
新幹線という高速鉄道システムの技術は、東海道新幹線が1964年に開業後、60年近い時間の中で改良が繰り返され、徐々に磨かれてきた。しかも改良の目的は時代とともに変化している。ここでは新幹線の歴史をたどりながら、新幹線の技術における進化の道のりを探ってみたい。
当初における新幹線の技術的目標は、時速200キロメートル以上で営業運転を実現すること。そんな高速で列車を走らせた営業鉄道は世界に存在しなかったからだ。
そこで旧国鉄の技術者たちは、海外で実績のある鉄道技術を寄せ集め、システムとしてまとめ上げた。
このとき取り入れられた技術には、フランスで実用化された商用周波数による交流電化や、ドイツで開発された高速台車があった。新幹線は個々の技術に新規性はないが、それらを日本の鉄道向けにアレンジして組み合わせ、従来なかった陸上高速輸送システムを構築した点が画期的だったのだ。
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