リニアが最上位になれば、新幹線はこれを補完する役割になる。

葛西敬之・JR東海元会長(故人)はリニアを米国に売り込むなど強力に推進した(撮影:今 祥雄)
コロナ禍収束で、人々の移動が復活し、新幹線需要も回復の一途をたどっている。
『週刊東洋経済』12月9日号の特集は「無敵の新幹線」。ビジネスパーソンの移動にはなくてはならない新幹線の「強さ」やサービス、技術力、そしてリニアなど今後の見通しについてリポートする。
新幹線が日本の基幹鉄道に据えられて久しい。速達性も輸送力も、在来線と格段に違う新幹線にその役割が与えられるのは当然だが、鉄道で長距離を移動しようと考えれば、新幹線に乗らなければどこにも行きづらいのが現代だ。このことが日本の社会にどんな影響を与えているのか。
その新幹線を凌駕する高速運転が可能な交通機関として、現在建設が進められているのが、磁気浮上式の高速鉄道、いわゆる「リニア中央新幹線」である。
現状はJR東海によって東京─大阪間で建設が進められているが、当初の計画では東京(品川)─名古屋間が2027年、名古屋─大阪間が45年の開業予定と公表されていた。が、静岡県内での工事の遅れから、計画が実現不可能となっていることは周知のとおり。リニアが今後どうなるかはまったく不透明だが、いつの日か開業すると仮定し、ここではその後の新幹線の姿を予想したい。
東京-名古屋間はたったの40分
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