参加国から不満も「大阪万博」で見えた日本の問題 日本には万博を開催する余裕はすでにない

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「愛知万博は公園で開催され、テーマは環境だった。国家、企業、NGOが賛同した。今回は産業界が主導権を握っている。もちろん、産業界は重要だが、市民は蚊帳の外になってしまっている」とアトリエ・ワンの塚本氏も指摘する。

経費が膨らんでいることへの「言い訳」

万博の主催者は状況を隠そうと必死だ。メキシコとエストニアが万博からの撤退したのが明らかになると、自見英子万博担当相は5カ国が参加したと反論した。デンマーク、フィンランド、ノルウェー、アイスランド、スウェーデンで、これらの国々は単独ではなく、共同で北欧パビリオンを出す予定だ。

経費が膨らんでいることに対して、韓国・梨泰院(イテウォン)の群衆圧死事故や、安倍元首相への攻撃を引き合いに出して、「安全保障」が追加費用の理由だと主張する政府も胡散臭い。

これらは万博とどう関係があるのだろうか?開幕500日前、費用はすでに2倍近くに膨れ上がり、日本の納税者全員に飛び火している。参加国や企業にとっては、これは逆宣伝になりかねない。

その他にも問題が山積している。参加者のためのホテルの部屋不足、万博のためのスタッフ不足、夢洲への輸送の難しさ……。外国人コンサルタントこうはっきり言う。「大阪万博は、妻に隈研吾の家を約束した夫が、口座に100万円しかないことに気づき、妻に言うのをためらっているようなものだ」。

ベテランのロビイストも同意見だ。「日本は戦争に負けるとわかっていながら真珠湾を爆撃した。勝つためではなく、ベストを尽くすためだった。今回も同様のことが起きている。止めるべきだとわかっていても、誰も中止の責任を取る勇気がない」。

レジス・アルノー 『フランス・ジャポン・エコー』編集長、仏フィガロ東京特派員

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Régis Arnaud

ジャーナリスト。フランスの日刊紙ル・フィガロ、週刊経済誌『シャランジュ』の東京特派員、日仏語ビジネス誌『フランス・ジャポン・エコー』の編集長を務めるほか、阿波踊りパリのプロデュースも手掛ける。小説『Tokyo c’est fini』(1996年)の著者。近著に『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』(2020年)がある。

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