カフェチェーンに殴り込み!双日が狙う新金脈 ヨーロッパで首位の「コスタコーヒー」と協業
双日にとって、カフェチェーンへの参入は最終消費者との接点を拡大する、またとないチャンスだ。
双日は2021年4月からスタートした「中期経営計画2023」で「マーケットインの徹底」を掲げている。双日はこれまでもコーヒー豆などのトレーディングは手がけているが、ファミリーマートを傘下に持つ伊藤忠商事、ローソンを持つ三菱商事のように強固な一般消費者向けビジネスを持っていなかった。双日にとって、下流ビジネスの強化は急務だった。
一方、ロイヤルHDは2020年12月期に275億円の最終赤字を出し、祖業の機内食事業の立て直しなどを急いでいた。2021年2月に、双日はロイヤルHDと資本業務提携し、出資比率約20%の筆頭株主となった。
機内食事業については双日が譲り受け、現在両社は「ロイヤルホスト」のシンガポール進出をはじめ、東南アジアでの食肉加工や代替肉の開発で協業を深める。
こうした流れの中で、双日は今回、日本コカ・コーラと初めて本格的に連携することになった。
「彼らのマーケティング力は圧巻だ。(2019年に缶チューハイの)『檸檬堂』でアルコール飲料に新規参入して、たった1年で缶チューハイカテゴリーの人気1位になった。同社とともに、さまざまなビジネスを広げていきたい」(村井本部長)。
競争が激しいカフェチェーン
カフェチェーンへの参入で、下流ビジネスに厚みを持たせたい双日だが、国内のカフェチェーンは競争がいっそう激しさを増している。
市場自体は持ち直している。全日本コーヒー協会の調査では、国内のコーヒー消費量は3年連続で落ち込んだが、2022年に前年比2.2%増の43万2875トンとなった。
しかし、日本で約1880店を展開する「王者」スターバックスコーヒージャパン、1000を超える店舗網を持つドトールコーヒー、そしてフランチャイズ店を中心に急成長するコメダホールディングスなど、ライバルチェーンがひしめく。低価格路線を標榜し、世界で急拡大する中国のコッティコーヒーも8月に日本上陸を果たした。
コロナ禍で優勝劣敗が鮮明になりつつある中、後発のコスタコーヒーに勝算はあるのだろうか。
「コスタは既にヨーロッパナンバーワンのブランドで、中東、インドでも年間100店のレベルで店舗を増やしている。こうした勢いを日本にも広げていきたい」と、双日ロイヤルカフェの西尾真理子社長は強調する。
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