完璧主義の人が陥る「超危険なサイン」重大な5つ 自分がやらなくていい仕事のはずなのに…

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領域の狭め方には次の3つの方法があります。

①時間を決める

キリのいいところまで「もうちょっと、もうちょっと」と作業を進めてしまい、いつの間にか疲れてしまう人にはこの方法がおすすめです。「今日は1時間作業する」「今日は夕食前まで勉強する」などと時間で区切る方法です。

私はかつて原稿を書くとき、「空いた時間があれば書く」というスタイルをとっていました。しかしその方法だとどんなに疲れていても無理やり原稿を書くことになってしまいます。

また、空いた時間があると「もうちょっと、もうちょっと」と書き進めてしまい、慢性的な疲労感が出てくるようになりました。

そのため今は「朝1時間、多くても2時間だけ原稿を書く」というスタイルに決めています。

この方法だと、午後に時間が空いても原稿は書かないと決めているので、だらだらと原稿を書いて疲れることはありません。

また最初に一日に費やす時間を決めているので、その範囲で原稿が仕上がるよう、早めに取り組むようになりました。そうすると締め切りに追われないので、体がラクになります。

完璧主義も緩和させるには少しずつ

②量を決める

この方法は一日に作業する量を決める方法です。この場合、内容で作業量を決めるのではなく、数字的な量で決めることが大切です。

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たとえば、また原稿を書くたとえで恐縮ですが、文字数などを決めずに「一章を完成させる」と決めておくと、内容が上手く思いつかなかったときに、際限なく作業をすることになります。なので私は「一日1000文字」などと数字で作業量を決めています。

③場所を決める

先程の掃除の例ですね。掃除をなんとなくするのではなく、「トイレ掃除をする」と決めてしまう。

どれだけ完璧にやろうとしてもトイレまでなので、掃除が止まらなくなるという可能性はありません。

これら、時間、量、場所で作業内容を制限し、その中で完璧にすれば完璧主義者のまま生きやすくなると思います。その方法に慣れた頃、少しずつ完璧主義も緩和してくると思います。

Tomy 精神科医

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1978年生まれ。某名門中高一貫校を卒業し、某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。研修医修了後、精神科医局に入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。Twitter「精神科医Tomy@PdoctorTomy」が人気。著書に『精神科医Tomyの心の不安を取り除いて、寝る前に気持ちをスッキリさせる魔法の言葉』(エムディエヌコーポレーション)、『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)、『精神科医Tomyの気にしない力 たいていの心配は的外れよ』(だいわ文庫)、など。

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