「楽天ポイント」改悪と言い切れない納得理由 8割のユーザーは現状維持かポイントが上がる

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トータルでのポイントも最大15.5倍から16.5倍に上がり、大きな改善に見える楽天のSPUだが、ネット上では「改悪」との声も噴出した。その理由は、「上限額の低下」と「楽天カードの改悪」「達成条件の難度向上」の3つに集約される。1つ目の、上限額は非常にわかりやすい。サービスごとに付与されるポイントの上限が、あからさまに低下しているからだ。これは、還元率が上がっているサービスも同じだ。

改悪と言われる3つの理由、上限額は大きくダウン

例えば、楽天モバイルの場合、現状ではダイヤモンド会員なら7000ポイント、それ以外は6000ポイントを上限にポイントが還元される。これが、12月1日以降は一律で2000ポイントまで天井が下がってしまう。楽天モバイル絡みでは、先に挙げたキャリア決済の上限も5000ポイントから1000ポイントに低下。楽天ひかりやRakuten Turboも、5000ポイントから1000ポイントに縮小される。

楽天モバイル関連以外も、獲得上限が大きく減るサービスは多い。例えば、楽天カードの特典ぶんは、5000ポイントから1000ポイントに縮小。プレミアムカードに至っては、1万5000ポイントから5000ポイントまで上限が下がる。ほかにも、楽天証券の投資信託が5000ポイントから1000ポイント、楽天ブックスや楽天Koboが1000ポイントから500ポイントなど、上限額は軒並み減少している。毎月大量にポイントが付与されているユーザーにとって、改悪になることは事実だ。

各サービスの上限額は、軒並み低下している。これが、改悪と言われる理由の1つだ(画像:楽天グループホームページより)

また、上記のように楽天カードもポイント獲得上限は減少しているが、楽天プレミアムカードは、還元率まで下がってしまう。これが2点目の、楽天カードの改悪だ。11月までは楽天プレミアムカードの場合、ポイント倍率が特典ぶんだけで2%上がり、獲得上限も1万5000ポイントだった。この倍率優遇がなくなり、一般カードと同じ1%に引き下げされる。改定後のポイント上限は5000ポイントと、一般カードより多いが、ポイントの貯まりやすさは損なわれてしまう。

しかも、一般カードの楽天カードは年会費無料だが、楽天プレミアムカードは1万1000円と有料になる。プレミアムカードと銘打っている割には一般的なゴールドカードより安いものの、ポイント還元目当てで契約していた人には、SPUの改定が改悪に見えるはずだ。SPUと直接は関係ないが、2025年1月から、楽天プレミアムカードの特典だった空港ラウンジ利用サービスの「プライオリティ・パス」にも、年5回までという制限がつく。こうしたサービスの削減が相次ぎ、SPUへの不満も噴出した格好だ。

3つ目の達成条件の難化は、なかなか見えにくいところ。発表では、注釈で示されていたからだ。例えば、楽天ブックスは、現状だと1000円以上の注文で対象になるが、SPU改定後は3000円以上と達成のためのハードルが上がっている。楽天Koboも1000円から3000円に、Rakuten Fashionに至っては、利用だけで達成できていたところに5000円の上限がつくことになる。SPU達成のためにギリギリを狙った“ポイ活”をしていたユーザーには、これも改悪になる。

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