「楽天ポイント」改悪と言い切れない納得理由 8割のユーザーは現状維持かポイントが上がる
大まかに言えば、楽天モバイルさえ契約していればポイント還元率は上がるが、その上限は縮小される。率が上がり、天井が下がるわけで、そのぶん、すぐに上限に達しやすくなる。楽天モバイルに限っていえば、これまではダイヤモンド会員で約23万円ぶんの買い物をしなければ7000ポイントもらえなかったが、改定後は5万円で上限の2000ポイントに達してしまう。
改悪になるのは2割のユーザー
ただ、いくら上限が多いからと言って、毎月、楽天市場で23万円もの買い物をするのはあまり現実的ではない。その意味では、改定後のSPUのほうが、より幅広いユーザーに受け入れられやすいと言えるだろう。楽天市場での買い物が5万円以内に収まっていれば、還元率が高くなるぶん、還元額も上がるからだ。一部のポイ活に手厚く還元していたポイントを、広く薄くばらまくような改定と見ることもできる。
ポイント目当てでヘビーに楽天市場を利用していたユーザーを逃してしまうおそれはあるが、それ以上に、裾野を広げつつ、楽天モバイルの契約者獲得を促進するメリットのほうが大きいと判断したことがうかがえる。楽天グループが11月9日に開催した決算説明会で、楽天グループの取締役副社長を務める武田和徳氏は、「改悪という声も最初のころは結構あったが、モニタリングをしていると、1週間ぐらいでほぼほぼそういった声は上がらなくなった」と語っている。
楽天グループの会長兼社長、三木谷浩史氏も、「現場からの報告ではポジティブに捉えている方が大半だと聞いている。何事も変えたときには、多少のプラスマイナスが出てくる」と、批判の声にはどこ吹く風の様子。逆に、「やってみなければわからないが、毎月5倍(通常ポイントと楽天モバイルの上乗せぶんの合算)はかなり魅力的だ」と改定には自信をのぞかせている。
実際、楽天グループによると、改定後も8割のユーザーが改定前と同程度か、むしろポイント還元額が上がるとしている。改悪になるのは2割のユーザー。8割は現状維持か、現状よりポイントが上がることになる。決算の補足資料では、ポイントを荒稼ぎする一部のユーザーは、結果として利益にならないことも示唆されていた。利益の上がらないポイ活の促進より、広く薄くポイントを配り、楽天モバイルの契約を加速させるというところに、SPU改定の狙いがあると言えそうだ。
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